Project/Area Number |
22K17124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
首藤 崇裕 大阪歯科大学, 医療保健学部, 講師 (40804604)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | インプラント周囲炎 / インプラント表面付着物 / チタン / LPS / 炎症性サイトカイン / 骨吸収関連分子 / プラットフォームスイッチング / バイオマーカー同定 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、インプラント周囲炎の有効な予防策として知られているプラットフォームスイッチングを有するインプラントをより長期的な成功に導くことを目指す。そのために、本インプラント周囲炎の発症メカニズムを分子生物学的手法を中心に詳細に分析する。具体的には、実験的インプラント周囲炎モデルを作製し、食物残渣や種々の細菌で構成されるバイオフィルム、さらにチタンイオン・粒子などを含むと予想される表面付着物の定量、構成成分分析などを行い、それらがインプラント周囲を取り巻く軟組織中の細胞や骨関連細胞における炎症・骨吸収関連分子の発現に与える影響について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、インプラント表面の付着物を想定し、歯周病またはインプラント周囲炎患者の歯周ポケットから多く検出される細菌のひとつであるPorphyromonas gingivalis由来のLPSとチタン標準液の刺激下で、歯肉上皮細胞や歯肉線維芽細胞、骨芽細胞や破骨細胞といった骨関連細胞を培養し、各種炎症性サイトカインや骨吸収関連分子の発現に与える影響を遺伝子レベルで検討した。純チタン板上で培養する条件も加えた。その結果、程度の差はあれP.g-LPSまたはチタンイオンは、チタン板上での培養の有無に関わらず、CCL2、RANKL、TRAP、Cathepsin Kなどの炎症・骨吸収関連マーカーの発現を促進する傾向が認められた。一方で、RANKLのおとり受容体として破骨細胞の分化や骨吸収の進行を阻害する機能をもつOPGについては、その発現が抑制される傾向にあった。これらのことは、P.g-LPSとチタンイオン両者の存在下で相乗的に認められ、これまでの申請者の研究グループの先行研究の結果の一部とも一致する。 今後は、これらの事象を実際のインプラント付着物による刺激で詳細に検討を行い、インプラント周囲軟組織を構成する細胞や骨関連細胞における炎症・骨吸収関連分子の発現動態を明らかにし、プラットフォームマッチング型インプラントと比較検討することで、プラットフォームスイッチング型インプラントにおける周囲炎の発症・進行メカニズムの解明へと繋げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度中に、実験用小動物(雄性Wistar系ラット)を使用し、純チタン製のプラットフォームスイッチング模倣インプラントまたはプラットフォームマッチング型インプラントを埋入後、結紮誘発性実験的インプラント周囲炎モデルを作製し、さらにインプラント付着物の解析まで行いたかったが、動物実験実施のための物品・環境整備に想定以上に時間を費やしたことなどから、当初の成果目標まで達成できなかった。しかし、現在は動物実験の準備もほぼ整い、並行して培養細胞を用いたin vitro実験は進められている。以上の理由から、現状では本研究の進行はやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
より円滑な研究遂行のために動物実験の環境整備を行い、引き続き研究協力者とこれまで以上に密に連絡を取り合い、アドバイスを貰うことで実験の効率化を図っていく。 実際にインプラント表面に付着している物質を回収し、構成成分の分析のために走査型電子顕微鏡(SEM)での観察や微小部X線分析などを行い、予想される主な供給源を推定する。また、この付着物を調整後、各種培養細胞(歯肉上皮細胞、歯肉線維芽細胞、骨関連細胞)に添加し、炎症性サイトカインや骨吸収関連分子の遺伝子発現動態を解析する。 以上の検討事項を円滑に進めるために、まずはプラットフォームスイッチング型インプラントとプラットフォームマッチング型インプラントの両者とも、安定して周囲炎モデルが作製できるようにする。
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