Project/Area Number |
22K17136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩野 僚介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (70909449)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 接着歯学 / CAD/CAMレジン冠 / 被着面処理 / CAD/CAMレジン冠 |
Outline of Research at the Start |
わが国ではCAD/CAMレジン冠が保険導入され,臨床において数多く行われている.レジンブロックから作製される補綴装置は,安価で早急に歯質削除量の少ない治療(前歯部ラミネートべニアや臼歯部オーバーレイ)を達成できるが,歯質側接着面をエナメル質内に求めるため,補綴装置側の接着性はさらなる向上が必要となる.本研究では,新規MMA含有プライマーの接着効果およびメカニズムを解明し,長期に安定する被着面処理法を明らかにする.本研究により歯質削除量を減らすとともにより長期安定性を獲得できる間接法の確立に寄与する.これにより適応症例の拡大を促し,わが国独自のメタルフリー治療の促進につなげる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はシラン処理および新規MMA含有プライマー処理が大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックに対する接着性レジンセメントの長期接着性に与える効果を検討した. 試料作製:大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロック(カタナアベンシアPブロック:P82)および試作ブロック(フィラー半減ブロック:P41, フィラーなしブロック:P0) を,7mm×7mm×4mmに切断し,耐水研磨紙にて研磨,アルミナブラスト処理した.各試料に新規MMA含有プライマー処理(MMA)またはシラン処理(Si)を行った後,接着性レジンセメント(PanaviaV5)を積層し(4mm)光照射を行った. 微小接着引張試験: 試料を37°C水中に24時間浸漬し,界面に直交するよう0.7mm×0.7mmに切断し,小型卓上試験機 (EZTest)にて微小接着引張試験を行った. 残った試料を水中保管し1,3か月後に同様に引張試験を行った.また,試料の界面をSEMにて観察した. 結果:新規MMA含有プライマー処理群であるMMA群はF82およびF41群ではSi群と有意差を認めず,F0群においてはSi群よりも有意に高い接着強さを示した(F0,P<0.001;F41,P=0.885;F82,P=0.999).またフィラー含有量が多いP82群において,3か月水中保管後の接着強さはMMA群とSi群の間に有意差を認めなかった(P = 0.999).界面のSEM観察では、MMA群の接着界面にフィラーを含む特徴的な5-10μmの帯状層が観察され,明確な界面が観察されたSi処理群と異なる界面を有することがわかった. 以上の結果から,新規MMA含有プライマー処理は大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックのマトリックスレジンに対して長期においても接着性を示し,シラン処理と異なる界面を有することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成度に関しては,大臼歯部用CAD/CAM冠用レジンブロックに対して,新規MMA含有プライマー処理が長期的にも接着性を有することが明らかになり,接着界面のSEM観察によりシラン処理と異なる界面を有することが明らかになったことから,新規MMA含有プライマー処理の有用性を捉えることができており,おおむね順調に進展している. 研究結果に関しても論文投稿予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
接着試験により接着直後だけでなく長期においても新規MMA含有プライマー処理の有効性が明らかとなった. 現在の実験では試料被着面をアルミナブラスト処理しているため, 機械的嵌合力の影響も考えられる. 今後は機械的嵌合力を省いた鏡面研磨された接着被着面を用いて, 化学的接着性のみの有効性を検討していく.
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