Project/Area Number |
22K17185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柳田 陽子 (石田 陽子) 広島大学, 病院(歯), 助教 (00772055)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 口腔粘膜上皮細胞 / 酸化ストレス / 炎症性サイトカイン |
Outline of Research at the Start |
申請者はこれまで、口腔粘膜上皮細胞にC.albicansが感染した際のストレス応答機構としてHO-1が特異的に誘導されることを初めて明らかにしてきた。また、申請者らの研究グループでは、以前、口腔粘膜上皮細胞にC.albicans生菌を添加する事で様々な炎症性サイトカインの発現が誘導される事、中でもIL-8の発現が最も誘導される事を報告している。今回の実験計画では、HO-1がC.albicansで誘導されるIL-8の発現を制御している可能性を検討し、酸化ストレスとHO-1やIL-8の関与を明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
口腔カンジダ症は口腔常在菌であるCandida albicans(C.a)によって惹起される日和見感染症である。C.aは口腔粘膜に付着、定着、増殖しながら粘膜を障害する性質を持っている。これに対し、口腔粘膜を構成する口腔粘膜上皮細胞はC.aを認識し何らかのストレス応答を行っている事が考えらえる。一方で、Heme oxygenase-1(HO-1)はストレス応答蛋白として報告され、炎症の抑制に機能する事が報告されている。これまでに、口腔粘膜上皮細胞におけるHO-1の発現と機能については報告されておらず、申請者のグループは口腔粘膜上皮細胞などの細胞を口腔組織から樹立し、炎症性サイトカインの刺激による受容体、シグナル伝達、発現誘導される遺伝子の同定を行ってきた。 申請者は、口腔粘膜上皮細胞にC.aが感染した際のストレス応答機構として酸化ストレス,炎症性サイトカインなどによって発現誘導されるたんぱく質であるHO-1が特異的に誘導されることを証明している。申請者らは口腔粘膜上皮細胞におけるHO-1の発現が細胞質内で認められたこと、口腔粘膜組織の免疫細胞染色においても上皮組織の細胞質内にてHO-1の発現を認めたことを証明してきた。また、口腔粘膜上皮細胞にC.a生菌を添加する事で様々な炎症性サイトカインが発現誘導され、中でもIL-8が最も誘導される事を証明してきた。口腔粘膜上皮細胞から誘導されたIL-8は白血球を活性化すること、一方でIL-8が過剰発現され続けた場合、組織破壊が起こり、粘膜の炎症を増悪、慢性化する事が報告されている。これらから、HO-1がC.aで誘導されるIL-8の発現を制御していることが考えられる。酸化ストレスとHO-1やIL-8の関与を明らかにすることで、口腔カンジダ症だけでなく、他の口腔粘膜炎症性疾患における治療や検査への応用を期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔粘膜上皮細胞においてC.aが付着した際に認識する特異的受容体を解明するため、不死化口腔粘膜上皮細胞(RT7)を用いて様々な受容体や細胞接着因子のsiRNAによるノックダウン細胞を作製しHO-1の発現誘導をReal-time PCR法やWestern Blotting法を用いて検討した。ノックダウン細胞を用いることでHO-1の発現誘導が抑制された。RT7におけるHO-1の制御能力を検討するため、RT7においてHO-1を恒常的に過剰発現する株を非ウイルスベクターを用いて作成を行った。作成した細胞の遺伝子配列の確認とウイルスベクターへの導入を繰り返し、遺伝子配列の確認を行っている。HO-1とIL-8の関係性を検討するため、不死化口腔粘膜上皮細胞(RT7)を用いてC.aが付着した際のIL-8の発現誘導について検討を行っている。以上の結果を得ており,現在のところ実験計画は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度行った研究より得られた結果をより確固とするため、引き続きHO-1を恒常的に過剰発現する株を作成し、HO-1の発現誘導を検討する。口腔粘膜上皮細胞において、C.aが付着した際に認識する特異的受容体を解明する。口腔粘膜上皮細胞において、C.aが付着した際に発現するIL-8とHO-1の関係性を検討する。その後、口腔粘膜炎症性疾患罹患患者における組織サンプルを用いてHO-1の発現誘導を確認する。
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