Project/Area Number |
22K17192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
橋爪 那奈 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (40824066)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | Dexmedetomidine / α2アドレナリン受容体 / イミダゾリン1受容体 / RSA |
Outline of Research at the Start |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はいまだ収束せず、我が国でも重症患者の増加や低年齢化が危惧されている。その中で、dexmedetomidine(以下、DEX)は、呼吸抑制効果が比較的弱く、鎮静効果、抗炎症作用やせん妄の防止等が期待できる為、中等症~重症のCOVID-19患者により適した鎮静薬の1つとして期待される。そこで本研究は発達・成長、および成長後の加齢の要素を加味してDEXの呼吸循環効果とその特徴を調べる。本実験の成果は、COVID-19患者の鎮静に小児から高齢者に至る広い年齢層に適したDEXの使用方法を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
Dexmedetomidine(DEX)はα2アドレナリン受容体(α2AD受容体)作動薬として知られ、呼吸抑制が少ない鎮静薬として歯科領域への適用が拡大しつつある。DEXは呼吸抑制作用が少ないことが特徴と言われているが、循環抑制作用が強く、それにはイミダゾリン1受容体(I1受容体)の関与が示唆されている。さらに、呼吸の維持についてその詳細な機序はいまだ不明である。申請者は、ラット新生仔実験において、DEXによるI1受容体の刺激が心拍数を減少させるだけでなく、呼吸の駆動力を増加させることを見出した。このI1受容体の働きは成熟ラットにおいても関与するのかを調べるため、成熟ラットを対象にバロメトリック法を用いて自発呼吸を測定し、さらに尾動脈カテーテルを介して新生仔では採取不可能な血液ガス(PaO2、PaCO2、pH)と平均動脈圧の測定を行った。その結果、DEX投与量の違いによって平均動脈圧の反応に差異が生じることを確認した。また、DEXの影響としてPaO2の低下、PaCO2上昇およびpH低下などの動脈血液ガス動態の変動と血中グルコース濃度の上昇を確認した。さらに、DEX投与後に拮抗薬であるatipamezoleとefaroxanを追加投与し、DEXの呼吸循環抑制効果に対する各々の拮抗作用を調べたところ、新生仔ラットで確認されたefaroxan投与による呼吸の駆動力の増加は認められなかった。これらのことから、呼吸循環系におけるα2AD受容体とI1受容体の機能的役割は、未熟な新生仔ラットと、成熟ラットとの間で異なることが示唆された。 さらに、間歇的な肺換気と持続的な血液循環のガス交換における協調性の有無を示す指標とされる呼吸性不整脈(RSA)について、新生仔ラットと成熟ラットでは違いが存在することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RSAの解析および論文投稿ならびに、免疫組織化学的検討を優先して行っていたため、10日~28日齢の実験に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年度に遂行できなかった実験を進めていく。特に、現在10~28日齢のラットでの測定方法を確立しつつあるため、測定および薬剤投与を行い測定を進めていく。また、現在進めている免疫組織化学的手法を用いてさらに解析を進めていく予定である。
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