Project/Area Number |
22K17252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 翔太 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (10881261)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | miRNA / miR-125b / 骨代謝 / microRNA / 骨再生 |
Outline of Research at the Start |
これまで骨芽細胞においてmiR-125bを過剰発現させるトランスジェニックマウスを用いて、miR-125bが基質小胞を介して骨基質中に貯蔵され、破骨細胞形成を抑制することで骨量増加に寄与すること、成長や加齢における骨強度や骨質を維持しながら骨粗鬆症モデルマウスにおける骨量の減少をレスキューすることを明らかにした。本研究では、ノックアウトマウスの解析を加えることでmiR-125bが介在する骨芽細胞―破骨細胞間の新規細胞間コミュニケーション機構の詳細と生理的意義を明らかにし、miR-125b制御による骨再生への応用の可能性を検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに骨芽細胞由来のmiR-125b-5pが骨芽細胞特異的過剰発現マウスにおいて破骨細胞分化を抑制し骨量の増加に寄与することを明らかにした(Int J Mol Sci, 2021)。本研究では、miR-125bKOマウスを解析することでmiR-125bの骨代謝における生理的意義を解明し、miR-125bを標的とした新たな骨増生方法の可能性を模索することを目的として、以下のように検証を進めた。 ①miR-125b-2KOマウスにおける体重変化と成長への影響、②血液・生化学的分析、③主要臓器への影響、④組織特異的なmiR-125b-5pレベルの変動、⑤骨組織への影響を観察した。①miR-125b2KOマウスは、正常に出生・成長し、12週齢までに体重・体躯に特筆すべき差異は認められなかった。②また、12-14週齢の雄マウス血液生化学検査においても、有意な差は認められなかった。③剖検時においても、主要臓器における湿重量や所見に明確な差は認められなかった。④次に各組織におけるmiR-125b-5p遺伝子発現レベルを解析したところ、脳、頭蓋骨および血清中では野生型マウスと同等の発現が観察され、心臓、腎臓、脾臓、肝臓、精巣および大腿骨においては野生型よりも有意に低い発現量であることが分かった。また、pri-miR-125b2の発現はいずれの組織においても検出されなかった。⑤骨組織への影響を観察するため12週齢雄マウスの脛骨を用いたμCT解析および樹脂標本による組織形態計測を実施したところ、骨体長、骨密度、骨量、および海綿骨骨梁に関するパラメーターに統計学的差異は認められなかった。ビラヌエバ染色による組織形態学的な所見も同様に、miR-125b2KOマウスにおける骨芽細胞数、破骨細胞数、MAR、ES/BSに変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miR-125b-5pは異なる2つの染色体に由来しており、miR-125bKOマウスの解析のため、実験当初はmiR-125b-2KOマウスと併行してmiR-125b-1KOマウスの作製を試みたが、ホモマウスの産仔が得られずホモ接合型で胎生致死であった。よってmiR-125b-2KOマウスにおける表現型解析を優先的に実施してきたが、今年度の成果よりmiR-125b-2KOはマウス表現型への明らかな寄与を示さず、miR-125bTgマウスにおける骨量増加と相関した結果は認められなかった。miR-125b-2KOマウスにおける組織特異的なmiR-125b-5p発現の変化は、心臓、腎臓、肝臓、精巣、大腿骨においてmiR-125b-2の発現が優位で、脳、頭蓋骨、血液中においてmiR-125-1の発現が優位となる可能性が示唆された。そのため、miR-125bの骨格表現型への影響を観察するためには、miR-125b-1コンディショナルノックアウトおよびmiR-125b-1および2のダブルノックアウト下での解析が必要であると考えられる。 当初計画していたmiR-125b-2KOマウスの表現型解析は概ね予定通り進行しているが、新たにmiR-125b-1コンディショナルKOマウスを作製する必要性が生じたため、進捗としては遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、次年度の目標としてmiR-125bのコンディショナルKOマウスの作製のため、miR-125b-1FloxマウスおよびCreERT2マウスの交配を行う。タモキシフェン投与により全身性にmiR-125b-1がKOされたマウスを用いて体重・体躯の変化、血液生化学検査、主要臓器におけるmiR-125b-5p発現レベルの評価、μCTおよび組織標本による骨量および骨形態計測を行う。miR-125b-5pは骨芽細胞の分化制御や造血系細胞に関わることが報告されているため、骨形態計測では主要パラメーターに加え、カルセイン標識による骨形成の定量も行う。さらにマウス骨髄細胞を用いたin vitro解析として骨芽細胞・破骨細胞の分化能を解析する。また、miR-125b-1コンディショナルKOマウスとmiR-125b-2KOマウスの交配によるダブルKOマウスの作製も同時に進める。
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