Project/Area Number |
22K17273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
町谷 亜位子 明海大学, 歯学部, 助教 (30848916)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 矯正歯科治療 / 個別化医療 / 機械学習 / 3次元デジタルデータ / デジタルトランスフォーメーション(DX) |
Outline of Research at the Start |
不正咬合は多因子性疾患であるが、矯正歯科治療の結果と患者が有する多彩なバックグラウンドの因果関係は明らかになっていない。近年、マウスピース型矯正歯科装置の技術開発が進み、世界的に治療症例が増加傾向にある。従来型のマルチブラケット装置と比較し、歴史の浅いマウスピース型矯正歯科装置は、治療法が確立されておらず治療成績や予知性が未だに不確定であるが、その反面、社会的なニーズは高く、患者特性をふまえた包括的な治療指針の確立が望まれている。本研究では、機械学習手法を用いて、各矯正装置の治療効果に影響する個体特性の探索を行うことで、矯正歯科治療における個別化医療の実現に向けての戦略構築を目的とした。
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Outline of Annual Research Achievements |
矯正歯科治療において、患者の背景と治療結果の因果関係は未解明であり、また、他の歯科治療と比較してもその治療期間の長さがデータ蓄積を困難にしている。本研究では異なる2つの矯正装置を検討し、機械学習手法を用いて治療効果を比較し、臨床的に意義のある疾患特徴を明らかにすることを目的としている。中等度以上の不正咬合を持つ患者を対象に、ABO-DIとABO-CREを使用して治療成果を評価し、マウスピース型矯正装置の治療アウトカムが定量化された。また、マウスピース型とマルチブラケット型の装置では、適応症例に差異があることが示唆された。また、本研究では、矯正装置の種類によるう蝕リスクについての評価も行い、口腔内疾患のリスク管理に新たな示唆を得た。このことから、治療の前段階における患者に合った治療法の選択の支援と、治療中、治療後の医療トラブルの減少が期待できる。機能的な咬合を獲得することは歯科治療において欠かせない要素であるが、光学印象と咬合評価に関する研究は未だに少ない。光学印象と光学咬合採得によって示される咬合接触状態と機能的な咬合評価の関係を明らかにし、新しい咬合評価の方法を模索した。結果から、光学咬合採得の条件によって咬合接触の精度が変わることがわかり、3次元画像解析を活用した咬合評価システムによって口腔内スキャンの形態データから客観的な咬合の機能的評価が可能であることが示唆された。この評価方法を応用することで、マウスピース型とマルチブラケット型の装置の咬合接触に着目した特性を見出した。本研究の成果は、装置の特性を考慮した治療法や適応症例の特定により、矯正治療の予測性と安全性の向上に貢献する可能性がある。さらに、患者一人ひとりのプロファイルに合った最適な治療を提案する新たな手法を開発し、個別化医療を実現することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
矯正装置の治療効果に影響する個体特性の探索を行い、患者固有の多項目因子に基づいた個別化医療の実現に向けての戦略を構築を目指し研究を行なった。当該年度は、不正咬合症例の難易度を示す指標として世界的によく用いられているAmerican Board Orthodontics Discrepancy index(ABO-DI)を用いて不正咬合患者を分類し、治療後の評価にはABOの客観的治療評価システムであるCast Radiograph Evaluation(ABO-CRE)を活用した。これにより、これまで報告のほとんどなかった中等度以上の不正咬合患者においてマウスピース型矯正装置の治療成果を明らかにした。さらに、患者特性の解析を通じて、装置の特性を踏まえた適応症例の探索に一定の進捗を得た。このことは、今後の国内での矯正歯科治療において指針の一助となる可能性がある。また、矯正装置の種類によるう蝕リスクについての評価を行い、患者特性に基づいた装置の選択や矯正歯科治療中の口腔内疾患のリスクマネジメントの可能性を示唆した。さらに、光学印象と光学咬合採得によって示される咬合接触状態と機能的な咬合評価の関係を明らかにし、新しい咬合評価の方法を模索した。その結果、光学咬合採得の条件が咬合接触の精度に影響を与えることが明らかになり、口腔内スキャンの形態データから客観的な咬合の機能的評価が可能であることが示唆された。複数の学会において、それぞれの研究成果の発表を行うことができた。当該年度の研究計画は、目的達成に向けて予定通りに遂行され、予想以上の成果が収められたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の結果から、レントゲン写真の解析、患者特性のデータの取得、デジタル模型の計測条件の検討を行い、解析を行った結果から、手法の有用性が明らかになった。昨年度に加え当該年度では、光学印象と光学咬合採得によって示される咬合接触から、今までにない咬合状態の定量評価法を開発したため、そのデータを含めて、患者データの収集、評価を行う。機械学習の手法を用い、解析を行うため、患者数を増やし分析を行う。また、治療終了時ABO-CREの数値を階層化し、それぞれの階層におけるセファロ分析の解析データおよび治療開始時ABO-DI、患者情報など多項目因子を基に数値データ解析(回帰分析、クラスター分析)を行い、各矯正装置の治療結果の傾向および、治療結果の原因分析を行うことで関連する患者プロファイルの探索を進める。2024年度は、学会発表を行い、示唆を得ることで研究内容のブラッシュアップを行う。研究内容をまとめ論文として発表を行う。
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