Project/Area Number |
22K17322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯泉 由美 (香川由美) 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50932307)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 患者のストーリーテリング / 医学教育 / 医療者のプロフェッショナリズム教育 / 患者への共感 / 患者中心の医療 / 患者-医師関係 / 医療コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
近年、患者中心の医療を実践するうえで重要な資質である「患者への共感」を医学部卒前から効果的に育むために、科学的根拠に基づいた教育方略の確立が課題となっている。教育方法の一つとして、患者が病気体験を講演する「患者のストーリーテリング」が注目されており、患者参加型の教育の普及が期待される。 本研究は、患者のストーリーテリングによる医学生の患者への共感の改善効果について、全国6大学で、ドキュメンタリー映像を用いた教育との比較や、オンライン授業と対面授業の比較によって検証する。本研究により、医学生にとって教育効果が高く、患者と大学にとっても実施可能性が高い、共感の教育方略を科学的根拠に基づき確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、患者のストーリーテリングによる医学生の「患者への共感」の教育効果について、①先行研究で効果が報告されている患者のドキュメンタリー映像を用いた教育よりも効果が高いのか、②大学に赴けない患者がオンラインで話しても対面授業に劣らない効果があるのか、複数の大学の医学部の協力のもと検証することを目的として、多施設共同の無作為化比較試験の研究計画に取り組んでいる。 4年計画の2年目であった令和5年度は、前年度の文献調査をふまえ、調査実施に向けて、①研究目的に合致する理論的枠組みの同定、②理論的枠組みに応じた変数および調査項目の検討、③協力大学との調整、④倫理審査申請に取り組んだ。 ①および②については、前年度の文献調査だけでは本研究の研究目的に適した理論的枠組みを見つけることができなかったため、今年度も継続して文献調査に取り組んだ。医学教育分野だけでなく、社会心理学分野や行動科学分野まで広く文献調査を行った結果、Storytelling/Narrative Communication Theoryという理論を見つけ、本研究の目的に合致していると思われた。この理論的枠組みに沿って調査を設計することにより、患者のストーリーテリングを聴く学習体験がどのように患者への共感の改善に繋がるかを明らかにすることが可能となる。 ③および④については、本研究の無作為化比較試験に協力いただける大学を探しているが、正規のカリキュラム内で学生を2群に分けることや、フォローアップ教育のためのコマを確保することが難しいことがハードルとなり、協力校の調整に時間を要している。 その他、学会誌における総説論文発表や、医療者主催の研修会および患者会からの招待講演などを通して、医学生の患者への共感を育むための患者のストーリーテリングの活用の有用性と今後の課題について広く発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的に合致する理論的枠組みの探索と同定に想定より時間を要したため。また、調査に協力いただく大学の確保と調整が計画当初より遅れているため。しかしながら、本年度で理論的枠組みおよび調査変数が固まり、予備調査に協力いただく医学部1校が決まったため、2024年10月に予備調査を実施できる見通しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度までに検討した研究計画にて、令和6年度に予備調査を実施する。予備調査では量的調査および質的調査を行い、調査結果を踏まえて介入プログラムおよび調査票を改善し、翌年度に本調査を実施することを計画している。 一方で、今後に向けた課題として、本研究の無作為化比較試験に協力いただける大学の確保に時間を要している。この課題への対応策として、日本医学教育学会主催の医学教育研究ワークショップや複数の医学部教員から助言をいただき、一つの大学内で学生を無作為化するのではなく、大学単位で介入群と対照群を設定するデザインに変更すること検討している。
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