Project/Area Number |
22K17330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
西平 淳子 琉球大学, 病院, 特命助教 (40941927)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 医療安全 / CVポート断裂 / 合併症 / 標準化 / 施設間連携体制 / 後ろ向き観察研究 / FMEA / 患者安全 / リスクマネジメント / 医療の質 / インシデントレポート |
Outline of Research at the Start |
中心静脈(CV)ポートは広く使用され、時に生命に関わる断裂事故を生じうる。断裂要因が不明で症状も乏しい場合もあり、医療者の断裂意識・管理が肝要である。対処法の標準化がなく、発見・対処が遅くなると重大事故へ進展しやすく医療安全の観点から迅速な改善を要する。断裂例を対象に留置・管理過程を故障モード分析(FMEA)等で系統的要因分析し潜在的リスクを明らかにする。要因を解明し、より安全で実行可能な標準的留置・管理法を連携施設と共に構築し、迅速な発見・対応の体制整備に向け提言をまとめる。 本研究で医療者個々人の経験や判断のみに依存しない、より安全な医療提供体制が構築され重大事故を減少させ得ると期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、広く使用されている中心静脈(CV)ポートの生命に関わる断裂事故を防止することである。そのために、診療データから得られた断裂のリスク要因と、FMEAで得られた重要度の高い断裂のリスク要因の両者を比較分析して、①断裂の前兆および要因を明らかにすること、②標準化されたより安全な留置法・管理法を構築すること、③断裂事故発生時速やかに発見・対応できるよう対応法標準化の対策立案をすること、④より安全なCVポート管理を行うための施設間連携体制の整備に向けた提言をまとめることを計画している。 CVポートの留置・管理を実施している沖縄県内の3ヶ所の急性期病院の医療安全管理者へ、以下の説明を行い研究への参加をリクルートした。実際の方法として、2017年4月から2020年3月までのCVポート留置患者診療データを後ろ向きに収集し、合併症を生じず使用を終え抜去した症例と断裂を生じた症例とで、使用製品や挿入部位・CVポート本体留置部位・留置期間・使用頻度等の差異を分析し、各項目と断裂との関連性を評価する目的であることを説明した。 県内でCVポートを集中的に留置している医療機関で、県外から招へいされている医師の留置手技を見学した。すでに作成していた工程表を実際に一緒に検証し、FMEA手法を用いた要因分析の結果の妥当性を得た。 2022年度中には調査開始へ至らなかったが、継続して参加登録を進めている段階であり、2023年度から琉球大学病院のCVポート挿入症例(2021年度以降)を順次登録開始した。また断裂時のリスクについて、先行研究の調査も並行して行っている。計画より進捗が遅れているが、2024年度は他院の協力病院の症例を登録し解析する予定である。また当院の先行登録症例からFMEAの再評価を行い、2021年度以降に部分的に対策を行った結果、リスク量がどのように変化したかも評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、沖縄県内6か所の急性期病院へ参加説明を行う予定であった。しかし沖縄県は未曾有のコロナ禍に遭い、第6波の影響と第7波が発生した。本人も説明予定日にコロナへ罹患し、説明を急遽延期した。予定していた急性期病院は感染症対応の基幹病院であったため、説明を実施するまでに遅れを生じた。現在、コロナ感染拡大も収束し説明を再開した。琉球大学病院を中心に参加登録を進めている。現在、3ヶ所の急性期病院のうち、1ヶ所で登録データサンプル収集を行ったが、情報が不完全で収集方法について見直し検討中である。ただし、本研究は後ろ向き観察研究のため、データ収集全体の影響は最小限にとどめられると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍等のため研究計画が当初の計画通りに進まない時の対応については、連携施設や担当者等との研究実施の打ち合わせ等をWeb・オンライン等で進める。 2023年度は当院分の研究に関し、琉球大学人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理審査委員会の承認を受けた。多施設に関しては、同委員会の承認後、連携施設や担当医師との調整を行い、3施設のデータ収集および解析を行う。要因分析を経て留置・管理・断裂時対処の標準化の対策立案を行うことを計画している。また並行して当院の先行登録症例からFMEAの再評価を行い、2021年度以降にパイロット的に対策を行った結果として、リスク量がどのように変化したかも評価する予定である。
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