Project/Area Number |
22K17350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
谷口 恵香 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70882942)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | がん予防 / スクリーニング / GGCT / γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ / RB |
Outline of Research at the Start |
本邦の死因第1位であるがんの「予防」は、死亡率の減少と効率的な医療費の削減に直結する。『γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)』という分子は、がんの予防に重要な「がん抑制遺伝子RB」の活性を抑制しており、有望ながん予防標的分子であると考えられている。本研究は、独自のスクリーニング法を用いてGGCTを阻害する天然化合物を見出し、「RB活性化がん予防法」の開発に繋げることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、ヒト肺がん組織においてγ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)遺伝子座が増幅していること、GGCT遺伝子欠損がKRAS誘導性の肺がんモデルマウスの発がんを抑制することが報告された。一方で研究代表者らは、このGGCTの抑制が、広範ながんで失活する「がん抑制遺伝子RB」を再活性化することを見出した。本研究は、RBを活性化しうる新規標的分子であるGGCTに対する阻害剤を探索し、新たな「RB活性化がん予防法」を開発することを目的とする。 GGCTの酵素活性によって発光物質を遊離するLISA-103を活用し、細胞内のGGCT活性を直接測定する独自のスクリーニング系を確立した。GGCTの発現が恒常的に高いことが期待できるヒト肺がん細胞6株についてGGCT活性を解析したところ、既存のGGCT阻害剤pro-GA 投与時のGGCT活性阻害効果が最も強く表れるのが、KRAS変異を有するSW1573細胞であることを見出した。 天然化合物ライブラリーに含まれる753種の被験化合物をSW1573細胞に投与し、LISA-103を用いてGGCT活性を測定することにより、GGCT阻害剤スクリーニングを実施した。結果、33種のヒット化合物が得られ、その中でも特に強いGGCT阻害活性を示す化合物Xを見出した。また、化合物Xは細胞内GGCTおよびGGCTリコンビナントタンパク質の酵素活性を阻害した。さらに、アフィニティークロマトグラフィーにより、化合物XがGGCTリコンビナントタンパク質と直接結合することを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初は、GGCT阻害時に引き起こされるタンパク質のリン酸化状態の変化を指標としたcell-based ELISA法にて一次スクリーニングを行った後に、GGCTの酵素活性によって蛍光物質を遊離する「LISA-101」を用いた二次スクリーニングを行い、GGCT阻害剤を選別する予定であった。このような段階的なスクリーニングを計画した理由は、蛍光基質のLISA-101の場合、細胞の自家蛍光の影響を受けてしまい、cell-basedなハイスループットスクリーニングが困難であると判断したためである。 しかし、その後、研究代表者と他施設との共同研究により、発光基質「LISA-103」が開発された。発光は細胞の自家蛍光の影響を受けず、かつ蛍光と比較して測定感度が高いという大きな利点があることから、cell-basedなハイスループットスクリーニングが可能となった。この独自のスクリーニング技術を活用し、より効率的に、高い精度でGGCT阻害活性を有する化合物を見出すことができた。 以上の理由により、本研究は当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
選別されたヒット化合物について、CCK-8 assayを用いた細胞増殖試験、フローサイトメトリーを用いた細胞周期評価試験を行う。また、肺がん細胞株を移植した担がんマウスモデルにおいて、ヒット化合物が腫瘍生長抑制効果を発揮するかどうかを検証する。長期投与時の安全性の確認項目としては、マウスの体重減少や皮膚状態の異常、行動異常の有無等を指標とする。
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