Project/Area Number |
22K17415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村瀬 壮彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40823315)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 受傷時期推定 / 皮膚損傷 / アポリポタンパク質 / プロテオーム解析 / タンパク質 / プロテオーム / 皮膚 |
Outline of Research at the Start |
法医実務における損傷の受傷時期診断は非常に重要である。これまで受傷部位における遺伝子・タンパク質発現に着目した研究が数多に行われてきたが、信頼に値する科学的受傷時期診断法は未だ確立されていない。この状況を打破するため、受傷時期を1日単位で判別可能な特異的マーカーの樹立が必要と考えた。 マウス損傷皮膚の受傷後0、1、3、5日における経時的なプロテオーム解析によって得られたタンパク質発現プロファイルを基に、発現に時期特異性のある複数のタンパク質をマーカー候補として選出し、これらについてマウス・ヒト損傷皮膚での発現動態を組織学的に解析し、法医実務に応用可能であるかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
マウス受傷皮膚を検体として行ったプロテオーム解析によって得られた経時的な受傷皮膚タンパク質発現プロファイルから、受傷後の変動が大きいタンパク質を検討候補としていくつか選定し、real time-PCRによるmRNA発現検討及びウエスタンブロット(WB)によるタンパク質発現検討を行っている。具体的には、Apolipoprotein(ApoA1, A2, B, C1, C3, D, E, M)を対象としている。これらのタンパク質はいずれもリポタンパク質の構成成分であり、主に肝臓や消化管に発現して脂質輸送・代謝に関与している。損傷治癒においてどのような機能を有するか現時点では明らかではないが、過去のプロテオーム解析においてはいずれも受傷後3日に発現増加のピークが認められていた。 9種類のApolipoprotein(ApoA1, A2, A4, B, C1, C3, D, E, M)について経時的なmRNA発現検討を行ったところ、ApoA1については受傷後1から3日において発現増加が認められたが、その他の分子においては有意な変化を認めなかった。タンパク質の発現検討は継続中であるが、ApoA1、ApoA4では受傷後0.5から2日での発現増加が認められている。ApoA1については受傷部において実際に発現の増加が生じているものと考えるが、明らかなmRNA発現の増加が認められなかったことから、A4に関しては受傷部以外の部位からの輸送が増加している可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に着目したCarnexin及びCalreticulinについては、受傷時期推定マーカーとして有用でない可能性が考えられたため、今年度は複数のApolipoproteinに着目した。損傷皮膚における経時的なmRNA及びタンパク質の発現動態については確認が殆ど終了しており、計画は概ね順調に経過していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマウス検体や剖検にて採取されたヒト検体を用い、損傷皮膚におけるApolipoproteinの発現細胞や組織学的な発現動態の確認を行うことで受傷時期推定マーカーとしての有用性を検討する予定である。ウエスタンブロットによる検討ではApoA1並びにA4は受傷後0.5-2日において発現が増加しており、受傷時期推定マーカーの候補として期待される。
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