仮想ホログラム及びNUIを用いた看護師の疲労低減のための情報取得システムの開発
Project/Area Number |
22K17420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 充 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40923769)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 看護師負担軽減 / Mixed Reality / Natural User Interface / 情報取得 / インシデント対策 / 看護業務支援 / Extended Reality / 情報表示システム / 過重労働対策 |
Outline of Research at the Start |
看護師は過重労働により慢性的な疲労状態に陥る。結果、認知機能の維持が難しく、インシデントの原因となる。疲労が生じる原因の一つとして移動が挙げられる。現状では、看護業務に関する情報取得のため病室や処置室から病院情報端末まで一日に何度も往復する必要がある。そこで、本研究ではMixed Reality装置を使用した仮想ホログラムと呼ばれる現実空間へ立体的な映像を投影する技術と、Natural user interfaceと呼ばれる直感的操作が可能なシステムを組み合わせることで直接その場で情報把握が可能なシステムの開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
看護師は過重労働により慢性的な疲労状態に陥る。結果、認知機能の維持が難しく、インシデントの原因となる。病室から情報端末までの頻繁な移動もその慢性的な疲労の一因となっている。検査データや投薬管理、インシデント情報など看護業務に関連する情報取得には病院情報端末を使用する。病室や処置室でそれら情報が必要になる度に端末まで移動の必要がある上、 個人アカウントによるログイン時間が生じ、迅速な情報の取得には非効率である。一日の中でその移動を何往復もする必要があるため、その疲労は無視できない。そこで本研究では、Mixed Reality装置を使用した現実空間にコンピュータグラフィックスを投影する技術を応用し、場所を問わず情報にアクセスすることの可能なシステムを開発する。当初の予定通り、令和4年度ではMixed Reality装置の一つであるHololens 2(Microsoft社)を購入し、そのシステム体系を試作した。現在の研究成果としては、現実空間に投影されたコンピュータグラフィックス上に自作の模擬電子カルテを表示することが可能となった。他にも、本研究の課題の一つであるモーションセンサを用いたNatural user interfaceの看護業務に応用する手法を開発した。具体的には、手技実施時の電子カルテの非接触操作を可能とするシステムである。 すなわち、令和4年度の成果としては、Mixed Reality装置及びNatural user interfaceを用いた看護業務を効率化し、看護師の疲労を低減するためのシステム体系の基礎となるシステムの開発である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗は概ね申請時に予定している通りに進んでいる。ただし、今回は想定よりも基礎となるシステムを早く試作することが可能であったため、予定では開発準備のみとしたが、令和4年度でHololens 2(Microsoft社)を用いた基礎となるシステムの開発まで実施した。また、Leap motion controller(Ultraleap社)を用いた病院情報端末の操作システムの開発を行った。本年度では開発に主眼を置き、できる限りのシステムの改善を行なった。予定では実験まで実施予定であったが、実施予定を令和5年度に変更した。引き続き、令和5年度はこのシステム体系の開発を進め、実験を実施する予定である。また、それに伴い学会発表と論文出版を実施する予定である。 また、本年度のシステム開発の副産物として、新たな成果があった。申請時に述べた他分野の応用展開の新たな着想を得た。メディカルスタッフが医療画像を閲覧したときに、その画像に存在するエラーや患者間違いの可能性、画像の種類や病変の有無などを表示し、医用画像に対する専門的な知識の有無に関わらず患者の状態を判断するシステムを考案した。現在開発中の看護師疲労低減のためのシステム体系と技術が重なる点が多数存在するため、多数の共同研究者を募り分担して課題解決に当たっている。結果、いくつか並行して実施した新たな研究の成果が得られた。すでに論文出版まで達成している。今後も看護師がより良い環境で働くことが可能になるよう、技術の面からアプローチする。
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Strategy for Future Research Activity |
現状ではMixed Reality装置としてMicrosoft社のHololens2を使用しているが、Apple社をはじめとする他社からも、さらに医療向きの装置が発売される兆しがある。新たな装置が発売され次第、本研究により適している装置を検討し、物品の購入や新たなシステムの開発を実施する必要がある。今後の動向を慎重に見定め、令和5年度に購入予定のTobii pro nano (Tobii社)の購入を見送り、新たなMixed Reality装置の購入も視野に入れて研究を進める。視線検出器を用いたシステム開発では借用についても考慮する。 当初の研究計画以外にも新たな研究の着想を得て、並行して上述の研究を実施している。現状ではHololens2を用いた医師向けの手術支援アプリを提供する企業も存在する。Virtual RealityやMixed Reality技術を医療へと応用するシステム体系を提供する企業も増加傾向にあり、急激に研究段階の技術から業務で使用可能な技術まで変革している。現状では本研究のように主に看護師を対象としたMixed Reality技術を応用する研究はない。本研究で開発されたシステムを早急に学会発表し、論文出版する必要がある。医師のみならず看護師をはじめとしたメディカルスタッフにも応用するアイディアを提供し、メディカルスタッフにもMixed Reality装置を応用する新たな価値を創出する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)