Project/Area Number |
22K17423
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 直 札幌医科大学, 医療人育成センター, 助教 (80866400)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 超音波教育 / 下肢血管 / 血管圧迫法 / 圧迫力 / 簡易教育ツール / 超音波 / DVT / 災害 |
Outline of Research at the Start |
超音波教育の発展に伴い、様々なエコー用ファントムが開発されてきた。しかし、下肢静脈エコー用のファントムは市販されておらず、初学者の学修機会は少ない。そこで本研究では、簡易的な下肢静脈ファントムを作製する。さらに、下肢静脈血栓を発症した際の外観的特徴をMR(複合現実)で再現し、身体所見を意識したエコー教育ツールを開発する。フィジカルアセスメント能力の高い看護師×下肢静脈エコーファントム×MR技術によって、下肢静脈エコーの技術習得に要する時間の短縮化が期待できる。身体診察能力やコミュニケーション能力が高い看護師は、災害時のエコー実施者に適しており災害医療や在宅医療への貢献が期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年は下肢静脈エコー(超音波)手技を学修するための簡易血管モデルを開発した。2023年は開発した簡易血管モデルの評価を行った。簡易血管モデルはゼラチン、軟質ウレタンフォーム(スポンジ)、ウレタン樹脂の3種の素材で作製し模擬血管を貫通させた。各モデルの特徴を明らかにするため「描出像の明瞭性」「静脈消失の再現性」「簡便性」を評価した。ゼラチンを使用した血管モデルは血管周囲が無エコーとなる。そのため、容易に血管を描出でき初学者に適していると考える。一方、軟質ウレタンフォーム(スポンジ)は血管周囲が荒く描出され短軸描出は困難であった。また、素材が柔らかいため「圧迫手技」を学修するには難易度が高い。しかし、3素材で最も簡便性が高く準備に時間を要しないため、緊急的なトレーニングでの活用が期待できる。 超音波描出において音速や減衰の視点が重要である。そのため2023年はゼラチン、軟質ウレタンフォーム(スポンジ)、ウレタン樹脂それぞれの音速計測を行った。2023年は、このような簡易血管モデルとは別に「下肢エコーファントム」の開発に携わり、販売に至った。下肢エコーファントムは血管走行の観察や、圧迫法の手技習得が可能である。また、正常血管の他に血栓を有する血管も再現した。血栓を有する血管は拡張を認め、カラードップラーで血流を確認することが可能である。2023年の成果は日本医学教育学会大会、日本超音波医学会などで発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間最初の2年間では、開発した簡易血管モデルにおける「描出像の明瞭性」「静脈消失の再現性」「簡便性」を評価し、超音波描出に重要な音速計測を実施した。さらに下肢血管エコーファントムの開発をすすめ市場販売に至った。研究期間後半の2年間はVRやMR技術をを活用した研究を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はVRやMR技術を活用した学修支援ツールの開発を進める。災害時は深部静脈血栓症(DVT)を発症する危険性が高い。背景に血液停滞、内皮損傷、血液凝固の亢進などが挙げられる。これらのリスクは、外傷や水分摂取量の低下、同一体位などに起因する。このようなDVTの要因を理解し「状況からDVTを疑う」能力が重要である。下肢静脈に血栓を有する際は、左右非対称性の浮腫みを認めることがある。VRやMR技術を活用し、このような状況下での没入体験を提供し「状況からDVTを疑う」能力向上を目指す。
|