Project/Area Number |
22K17668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
工藤 将馬 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (00940181)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 姿勢/バランス制御 / 筋骨格シミュレーション / 転倒回避動作 / ステップ動作 / 転倒予防 / バランス制御 |
Outline of Research at the Start |
転倒に結びつく高齢者特有の姿勢制御メカニズムを解明する.具体的には,身体に作用する予期せぬ外乱に対して,高齢者はステップ前とステップ後のどちらの姿勢の安定性を重視した制御を行っているのかを検証する.また,筋機能を低下させた筋骨格モデルによって,高齢者特有の姿勢制御方略が再現可能かを検証する.得られた知見から,ヒトの姿勢制御メカニズムに基づく効果の確証された転倒予防法の確立を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は転倒に結びつく高齢者特有の姿勢制御メカニズムを実験とシミュレーションの両面から解明することを目指している.本年度は,自発的および予期せぬ外乱に対する反射的な姿勢制御メカニズムの解明において,それぞれ以下の成果を上げた. 昨年度に構築した筋骨格モデルを用いて,筋の最大等尺性張力,最大収縮速度および活性化メカニズムに関連するパラメータを個別に変更させた際の歩行動作をシミュレートし,歩行動作中のモデルの動的安定性を比較した.最大等尺性筋張力が低下したモデルにおいて身体重心の安定性を重視した歩行動作がシミュレートされ,転倒経験者が用いている歩行中の転倒回避戦略と類似した結果が得られた.このことから,外乱が身体に作用しない条件下での自発的な身体運動においては,最大筋張力の低下が身体動作中の姿勢制御の主な阻害因子である可能性が示唆された.この研究成果は国際学術雑誌に投稿済みである. 予期せぬ外乱に対する反応的な姿勢制御の評価を可能にするシミュレーションモデルの構築にも取り組んだ.具体的には,昨年度までに構築した筋骨格モデルに対し,腱に生じる張力や筋の収縮速度などの体性感覚や,身体重心の位置および速度をフィードバックするモデルを新たに実装した.このことにより,予期せぬ外乱に対して反応的な転倒回避動作をシミュレートすることが可能となった. 予期せぬ外乱に対するステップ動作の評価を実現する実験環境の構築にも取り組んだ.研究拠点の変更に伴い,実験環境の構築計画に変更が生じたが,既存の研究設備を活用することで,当初の計画通り実験設備の整備を進めることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋骨格シミュレーションを用いて姿勢制御メカニズムを解明する計画においては,当初の計画通りに進捗している.外乱に対する反射的な動作をシミュレートするには,身体重心の挙動や体性感覚などをフィードバックするモデルを実装する必要があるが,本年度でそのモデルを構築することが出来た.実験的手法を用いた計画においては,研究拠点の変更に伴い,実験環境の構築計画に変更が生じたが,既存の研究設備を活用することで,当初の計画通り実験設備の整備を進めることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,筋骨格シミュレーションに加えて実験的手法を用いて自発的および反射的なステップの姿勢制御メカニズムを明らかにすることに取り組む.具体的には,(1)高齢者は若年者と同様に素早いステップ動作を遂行することが出来るのか(2)筋機能の低下がステップ動作の開始に影響を与えるのか,(3)予期せぬ外乱に対する突発的なステップ動作を抑制し,転倒を回避するための制御目標を明らかにする.
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