Project/Area Number |
22K17673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
筒井 和詩 名古屋大学, 情報学研究科, 特任助教 (30898458)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | マルチエージェントシステム / 強化学習 / 集団行動 / 協力 / 深層強化学習 / スポーツ科学 / 集団運動 / 運動学習 |
Outline of Research at the Start |
集団スポーツでは、敵を欺き、味方と協調することで、自身あるいはチームの目的を達成することが要求される。このような対人技能の重要性は科学と現場の双方で広く認識されているものの、その定量化は容易ではなく、実用的な評価指標や指導方法は確立されていない。 本研究では、深層強化学習に基づく適応的エージェントを用いた数理シミュレーションと実世界での集団運動とを組み合わせることで、集団攻防における競争・協調ダイナミクスの理解を深め、勝負所に向けての布石、味方のためのカバーリングや囮の動きといった、間接的な貢献の定量化を可能にし、理論に裏付けられたゲーム分析指標や効果的な学習支援方法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、集団スポーツなどに見られる、敵を欺く、あるいは味方と協調するといった対人技能を定量的に評価する技術、並びにその技術を活かした学習支援方法の開発に取り組んでいる。当該年度は、昨年度から取り組んでいる深層強化学習に基づく適応的エージェント同士が対戦する計算機シミュレーション環境および適応的エージェントと人間の共同対戦を行う行動実験系の開発を引き続き行なった。主に昨年度に取り組んでいた、協調的な追跡行動を対象とした計算機シミュレーション実験および行動実験の結果をまとめた論文が国際科学雑誌eLifeに受理された。また、この研究と関連して、ドイツのコンスタンツ大学およびマックスプランク動物行動研究所をはじめとした多くの研究機関、研究集会などにて招待講演を行い、スポーツ科学、生物学、認知科学、機械学習といった多様な分野の研究者と議論を行った。また、当該年度はその適用範囲を広げ、サッカーなどの練習でよく行われる3対1、4対1、4対2、5対2といったパス回し課題を対象とした計算機シミュレーション実験および行動実験に取り組んだ。パス回し課題では、パスを回す側のプレイヤーが移動してもよいバージョンと移動してはいけないバージョンを作成し、オフ・ザ・ボール(ボール非保持状態)とオン・ザ・ボール(ボール保持状態)それぞれにおける行動(あるいは意思決定)について評価し、今後の方向性を検討した。既に実験結果の予備的な解析を終えており、今後本格的なデータ分析および論文執筆に移行する予定である。加えて、これらの枠組みをサッカーの試合データ分析に応用することで、試合中のプレイヤーの意思決定を評価する方法を開発し、その成果をまとめた論文が国際学術雑誌IEEE Accessに受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績にあるように、計算機シミュレーション環境および人工知能エージェントと人間の共同対戦を行う行動実験系の構築に成功し、そのシステムを用いて行った研究の成果が学術論文として受理された。また、この成果を土台として、より応用的な課題であるパス回しにも既に取り組んでおり、その経過も順調である。このことから、本提案の後半にあたる集団スポーツへの応用に向けて順調な歩みと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にある集団スポーツへの応用に向けて、これまでのところ順調に研究が進んでいる。そのため、これまでの方針を大きく変えることなく、次年度はパス回し課題の実装・実験および成果の創出に取り組み、これまでに得られた知見や確立した手法の適用範囲を順次拡張していく予定である。
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