アキレス腱の形状が局所的な変形に与える影響の推定:有限要素法を用いて
Project/Area Number |
22K17719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
榎本 翔太 岡山大学, 教育推進機構, 助教 (50880085)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アキレス腱 / 有限要素解析 / シミュレーション / FEM / FEA / 筋腱複合体 / 有限要素法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アキレス腱障害の発症に関連するアキレス腱の形状(長さや太さ)を特定することを目指して、アキレス腱の形状が局所的な変形に与える影響を明らかにすることを目的とする。具体的には、人工的に作製したさまざまな形状 (例:長い、太い、厚いなど) を有する有限要素アキレス腱モデルを用いて、それぞれの因子とその組み合わせ (例:長くて細いなど) が、障害発症に強く関連すると考えられている組織変形の程度ならびにその分布に与える影響を定量化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アキレス腱断裂やアキレス腱症の発生に関連するアキレス腱の形状特性を特定することを目指して、有限要素解析を用いてアキレス腱の形状が局所的な変形に与える影響を明らかにすることを目的としている。 この目的を達成するために本年度は、アキレス腱断裂やアキレス腱症との関連が指摘されているアキレス腱のねじれの程度が局所ストレインにどのように影響するかについて着目し実験を行った。具体的には先行研究を参考にねじれの程度を3種類定義し、ねじれ以外の形状特性(太さ、長さ等)や、それらの組み合わせ(ねじれの程度が大きく、太い等)も考慮した実験を行った。一方で、この研究では9つの因子がそれぞれ3水準を持つ実験を計画しており、形状同士の組み合わせを考慮することは、形状モデル数を顕著に増加させ(3^9 = 19,683通り)、すべての形状モデルでの実験は困難であった。そのため、small composite designという統計手法を用いて実験計画を立て、本研究の目的にアプローチした。 最終的に59の形状モデルでの実験を行った結果、各要因の主効果、要因間の交互作用など、局所ストレインと形状特性の複雑な関係が示された。具体的には、ねじれの程度が大きい条件で、局所ストレインが大きくなることが明らかとなった。一方で、局所ストレインに対してねじれの程度は、長さ、遠位の太さとの間に交互作用があることも明らかとなった。 これらは、アキレス腱の大きなねじれが大きな局所ストレインをもたらす一方で、その効果はその他の形状特性の大小に影響を受ける可能性を示している。さらに、先行研究において局所ストレインがアキレス腱断裂やアキレス腱症の発生に関連すると報告されていることを考えると、その他の形状特性の大小にもよるが、アキレス腱におけるねじれの程度がそれら傷害の発症に関連している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、アキレス腱のねじれを考慮したモデルを作成し、それとねじれ以外の形状特性の違い、また、それらの組み合わせを考慮したシミュレーション実験を行う。予定では当該実験は、令和6年度から開始する予定であったが、令和6年度になった時点で実験がすでに完了している。まだ、結果をまとめ、論文として投稿するという作業が残っているが、実験計画が当初よりも前倒しになっていることから、おおむね順調に進展しているという判断である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに得られた成果を速やかに論文として投稿する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)