Project/Area Number |
22K17734
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Ikueikan University |
Principal Investigator |
侘美 俊輔 育英館大学, 情報メディア学部, 教授 (80579748)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | カーリング / 総合型地域スポーツクラブ / 稼ぐ力 / カーリング授業 / スポーツとまちづくり / ニュースポーツ / ミニバレー / カーリング指導方法 / カーリングの普及・拡大 / eスポーツ / 通年型施設 / まちづくり |
Outline of Research at the Start |
本研究は,「カーリングがなぜ北海道の地方で普及・拡大し,急速に選手強化が進められているのか」という問いを,2020年5月に「通年型カーリング場」が完成した北海道稚内市を事例に「問う」ものである. 本研究の目的は,稚内市における住民・学校・家庭・地域のカーリングの受容と,「通年型カーリング場」を拠点とした「総合型地域スポーツクラブ」の創設,選手強化へ向けた取り組みについて時系列で捉えることを軸足に,北海道北見市常呂町,名寄市,長野県軽井沢町などのカーリング先進地における調査などから得られた知見を加え,今後の示唆を得ることである.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,北海道稚内市における住民・学校・家庭・地域のカーリングの受容と,「通年型カーリング場」を拠点とした「総合型地域スポーツクラブ」の創設,選手強化へ向けた取り組みについて時系列で捉えることを軸足に,カーリング先進地調査による知見を加え,今後の示唆を得ることである.23年度は,主に3つの柱で実施した. 第1に,北海道名寄市におけるカーリングの普及,拡大,選手強化の検討である.名寄市におけるフィールドワーク,インタビュー調査などから名寄市におけるカーリングの歴史,普及,拡大の時系列を調査し,分析を行った.本調査結果の一部は,研究成果として2本の論文にまとめた. 第2に,稚内市内のカーリング動向調査である.23年度は稚内市内の校長へ調査を行い,カーリング授業導入の経緯などを論文にまとめた.また前年度も調査をしている22年度に誕生したカーリングを核とする総合型地域スポーツクラブ「みどりスポーツクラブわっかない」の時系列での動きを調査し,詳細に記録し続けている. 第3に,長野県軽井沢におけるカーリングを中心とした総合型地域スポーツクラブにおける調査結果をまとめ,論文にまとめた.現在軽井沢の総合型地域スポーツクラブは,日本のカーリング競技において,4人制の男子,女子,さらにミックスダブルスなどの主要部門で日本のトップレベルに位置している.その選手強化のための仕組み,仕掛けを中心としたインタビュー調査を実施した. 以上のように,23年度はカーリングの普及,拡大,選手強化の様子を名寄市,軽井沢町を事例にアプローチすることができ,その一部を研究成果として刊行することができた.また,24年度に向けて調査予定地である北見市のカーリング協会関係者との名刺交換等を行い,今後の調査協力を取り付けることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度の進捗状況は,「やや遅れている」と言える.23年度の順調な点として,第1に名寄市,軽井沢町における調査結果を実施,研究成果を刊行できた点である.特に名寄市の調査は,日常的なカーリング関係者とのつながりから,行政的な側面や,カーリング指導者とその教え子たちなど重層的なアプローチをすることができた.第2に,稚内市内のカーリング関係者,総合型地域スポーツクラブの動向調査については順調に実施できている.23年度は市内の校長先生にインタビュー調査を実施できた点も大きな成果である.これら2つの研究テーマについては「順調に推移している」といえる. 一方で,今年度のメインとしていた「北見市のカーリング関係者調査」を見送った.その理由は,引き続きコロナ禍の影響から,事前交渉が上手くいかず,対面調査が実施しにくい状況であったことや,インタビュー調査をするまでの趣旨説明,調査のための下準備などに時間を要したためである.しかしながら,調査予定地の北見市のカーリング関係者とは, 23年度のカーリング大会,コーチ講習会などを通じて人脈が飛躍的に拡大した.そのため今後の調査実施への下準備は整いつつある.以上のことから,24年度以降に23年度の遅れを挽回することは難しくないものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は,主に2つの柱で実施予定である.第1に前年度に引き続き,稚内市内のカーリング関係者,カーリング競技の動向,総合型地域スポーツクラブにおける継続調査の実施である.特に総合型地域スポーツクラブは,今年度カーリング競技から派生した「キューカーリング」の普及に尽力することが予定されている.そのため,これまでカーリング競技にアクセスしにくかった高齢者,障がい者なども参加が可能となり,よりインクルーシブ,アダプテッドスポーツとしての「カーリング」の魅力,可能性に迫った調査ができるものと予想される.また,今年度,稚内市では全国大会の開催も予定されている.これまでの大会は「コロナ禍」の制約なども大きかったが,初の有観客として実施される大会となる予定である.全国大会の開催を通じて市民にカーリング競技がどのように受容されるのかについて調査を実施する予定である. 第2に,昨年度実施できなかった「北見市カーリング関係者の調査」である.北見市は,「カーリングの聖地」として自他共に認めるカーリングの中心的な都市の1つである.五輪のメダリストとなったロコ・ソラーレ以外にもカーリング関係者の中には,元オリンピアン,元日本代表などトップレベルのカーリング経験を有する者たちが多い.さらに市内では多くの小,中,高においてカーリング授業が取り入れられるなど学校教育におけるカーリングも根付いている.北見市のカーリングについては,多数の著作,報道資料などが刊行されているが,筆者はカーリングの普及,拡大,選手強化という視角から調査を実施する予定である.
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