Project/Area Number |
22K17770
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 葵 新潟大学, 医学部, 技術職員 (10808752)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | Phos-tag対角線電気泳動 / 生活習慣病 / リン酸化タンパク質 / Phos-tag対角線電気泳動法 |
Outline of Research at the Start |
2020年に開発されたPhos-tag対角線電気泳動法では、タンパク質の機能的なリン酸化状態を検出及び同定することができ、本研究はこの新技術を利用して糖尿病や肥満症といった生活習慣病に関わるタンパク質のリン酸化状態に着目した病態解明を目的とする。さらに、肝臓や脂肪組織、膵臓などの各末梢代謝組織を核やミトコンドリアなどのオルガネラ分画に分け、Phos-tag対角線電気泳動及びショットガン質量分析を組み合わせた、リン酸化プロテオミクスを行う。これより、生活習慣病により変化するオルガネラ特異的なタンパク質リン酸化状態を同定し、介入することで新たな予防・治療法へと発展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生活習慣病に関わる変動可能で機能的なリン酸化部位を明らかにし、新たな治療標的へと発展させるために、(1) 生体試料より得たタンパク質のリン酸化状態をPhos-tag対角線電気泳動法による評価系の確立、(2)生活習慣病の病態形成に関与する機能的なタンパク質のリン酸化状態の同定により、病態の予防・治療法を創出することを目的としている。 本年は前年に生じた問題の解消又は回避方法の検討と、次のステップに進むためのサンプル調整を行った。 ①Phos-tag対角線電気泳動後にPVDF膜へ転写し、抗体による検出の再現性に問題が生じていた。検討を進めたところ、Phos-tag対角線電気泳動後のPVDF膜への転写効率に問題があることがわかり、泳動後のEDTA処理の時間や回数、転写方法及び転写の際に使用するバッファーを最適化することにより改善した。 ②細胞質分画、核分画といったタンパク質の抽出方法の違いにより、通常のSDS-PAGEで見られるシグナあるがPhos-tag SDS-PAGEでは減弱するなど、バンドパターンの乖離に対しては、各分画のタンパク質を抽出後にアセトン沈殿等の濃縮、精製や免疫沈降を行うことで、溶解バッファーをそろえるなどの検討を進めている。 ③生活習慣病の病態形成に関与する機能的なタンパク質のリン酸化状態を同定するために、培養細胞やマウス組織、マウス初代培養細胞よりサンプル調整を進めている。具体的には代謝状態が大きく異なる栄養飢餓やインスリン刺激した培養細胞等からタンパク抽出を行っている。またこれらのサンプルをPhos-tag対角線電気泳動だけでなく質量分析装置による網羅的なリン酸化タンパク質情報を得るために、サンプル調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究推進センターとしての本務が多忙であり、本研究を進める十分な時間を確保できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年4月1日より所属機関の変更を行い、研究に注力できる環境となった。しかしながら、新規所属でのメインテーマが「細胞内1分子イメージングを用いた遺伝子発現制御の可視化」となり、研究分野が大きく変わり、本研究の遂行が困難になる可能性が考えられる。そこで、ピンチはチャンスととらえて、細胞内1分子イメージングと翻訳に係るタンパク質のリン酸化状態の検討や、インスリン刺激や低栄養状態などの生活習慣病に関連する細胞の状況下での遺伝子発現制御とタンパク質のリン酸化状態を共に検討することで、細胞でのタンパク質の翻訳と翻訳後修飾の一つであるリン酸化といった多次元での解析を行っていく。
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