Project/Area Number |
22K17825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三河 隆太 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30884639)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / 老化関連遺伝子 / 呼吸器 / アデノ随伴ウイルス / Ⅱ型肺胞上皮細胞 / 脂肪滴 / 組織恒常性維持 |
Outline of Research at the Start |
Cideaは正常マウスの褐色脂肪細胞に恒常的に発現しており、脂肪滴形成に関わっていることが知られている。しかし、加齢に伴って肺組織中でCidea遺伝子が増加し、マウス肺組織中でⅡ型肺胞上皮細胞(AT2)と共局在を示すことを見出した。また、近年報告があった老齢マウスの肺組織におけるRNA-seqのデータセットの再解析でCidea遺伝子の増加を確認した。
従って、加齢に伴うAT2細胞におけるCideaの発現がどのような役割を担っているか調べるため、本研究ではアデノ随伴ウイルスとAT2細胞トレーサーマウスを用いてAT2細胞特異的に発現するCideaマウスの肺機能と分子機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴い組織に老化細胞が蓄積することで臓器の機能低下を引き起こすことが知られている。申請者は加齢に伴い呼吸器機能低下とともに発現するCidea遺伝子を2型肺胞上皮細胞中に見出した。この遺伝子は若齢マウスは褐色脂肪細胞に多く発現し、肺には殆ど発現していない。 本研究ではCideaが発現していない若齢マウスの2型肺胞細胞のみに発現させるシステムを構築し、Cideaが2型肺胞上皮細胞で発現させることで呼吸機能の変化を観察する。研究室で新たに呼吸機能測定のメカニカルベンチレータを導入し、1個体のマウスから呼吸機能検査、遺伝子解析用組織、組織染色用組織を効率よく採材できる実験系を立ち上げた。老齢肺組織から抽出したRNAを用いてqPCRでCidea遺伝子発現と組織免染染色により2型肺胞上皮細胞マーカーであるSP-C抗体とCidea抗体の共局在を確認することができた。 マウスの2型肺胞細胞のみに発現するシステムはタモキシフェンにより2型肺胞上皮細胞でCre酵素が発現するマウス(SftpcCreERTマウス)にCidea遺伝子配列を含むAAV FLEX(Cre-Swithc)条件的発現ベクターを気管支投与することで作製する。このベクターにはAAV感染で発現するルシフェラーゼ遺伝子配列とCre酵素により発現するCideaと蛍光色素mCherry遺伝子配列を含むベクターを作製した。これによりルシフェリン投与でAAVが呼吸器の細胞に感染したことをin vivoイメージングで確認することができる。また、タモキシフェン投与で2型肺胞上皮細胞のみにCideaとmCherryを発現し、Cideaを発現した2型肺胞上皮細胞はセルソーターで分取することができる。今後、設計したベクターを用いて2型肺胞上皮細胞におけるCidea遺伝子発現が呼吸機能に及ぼす影響を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの呼吸器実験系の立ち上げはできたが、ベクター設計と作製に時間を要した。当初EGFPとルシフェラーゼでベクター設計をする予定だった。しかし、EGFPとルシフェラーゼを同一レンチウイルスベクターから発現させた場合、同一プロモーターや独立したプロモーターから発現させても双方のタンパク質が抑制される傾向があることを知ったため他の蛍光タンパク質に変更した。さらにCideaと蛍光タンパク質の間に3xBGH pA配列を挿入する予定だったがパッケージングサイズが超過しているのでAAV FLEX(Cre-Swithc)条件的遺伝子発現ベクターに変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
設計したAAVベクターを投与してCidea遺伝子発現細胞が呼吸機能に与える影響を調べる。 タモキシフェンにより2型肺胞上皮細胞でCre酵素が発現するマウス(SftpcCreERTマウス)に設計したAAVベクターを気管支から投与をして肺組織に感染させる。ルシフェリンを腹腔内で投与してin vivoイメージングにより肺組織へのAAVの感染を経時的に確認する。発光が最も強い時期にタモキシフェンを投与してCidea遺伝子を発現させる。網羅的な遺伝子解析を実施するために、2型肺胞上皮細胞特異的蛍光抗体と蛍光タンパク質mCherryを標的としてセルソーターで単離する。 計画段階ではCidea遺伝子発現後に細胞系譜を実施するため、SftpcCreERTマウスと研究室で保有しているCre酵素が発現する細胞で蛍光タンパク質tdTomatoを発現するAi14マウスを交配する予定であった。しかし、2系統のマウスを交配させることはさらなる研究の進捗に影響を及ぼすことと、AAVベクター設計の変更によりmCherryを使用していることからAi14マウスでの細胞系譜は変更する。その代わりとして、Cidea遺伝子発現細胞の網羅的な遺伝子解析の結果と免疫組織化学染色の組み合わせで2型肺胞上皮細胞の分化動態を明らかにする。
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