Project/Area Number |
22K17855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60020:Mathematical informatics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
庵 智幸 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (00908410)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 非線形システム / 数式処理 / ホロノミック関数 / D加群 / Pfaffian系 / 非線形制御 / 代数的手法 |
Outline of Research at the Start |
制御対象の複雑化と制御目的の高度化に伴い,これらが持つ非線形性を活かすシステム制御理論の構築・実用化が求められている.従来の非線形システム理論は抽象化により多様な非線形性を取り扱える一方で,その成果は主に偏微分方程式を用いて記述され,具体的な問題に対して解くことが困難であった. 本研究では,こうした解くことの難しい偏微分方程式に対し,ホロノミック関数と呼ばれるある種の有限性を持った非線形関数からなる解空間を構築することで,容易に解ける有限個のパラメータ決定問題へと帰着させる系統的な方法の提案を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,Pfaffian系と呼ばれる偏微分方程式系の解空間がホロノミック関数と呼ばれる関数からなる有限次元ベクトル空間となることを活用し,非線形システム制御における種々の解析・設計問題を有限個のパラメータ決定問題へと帰着させる系統的な手法を提案することである. 本年度の計画では,Pfaffian系の解空間の有限性を元に具体的な制御器・推定器設計アルゴリズムの提案を行う予定であった. これに対し本年度では,制御器・推定器の系統的な設計手法への布石として,広範な非線形システムを特定の簡単な構造を持つシステムへと変換する手法について検討した.具体的には,ホロノミック関数で記述されるような非線形システムに対し,その構成要素であるホロノミック関数全てを解に持つようなPfaffian系を構築することで,入出力写像の意味で元のシステムと同一の有理式で表現されるシステムを求める方法を提案した.変換後に得られるシステムは,元の状態空間の各点にベクトル空間が付随したようなベクトル束上のダイナミクスと解釈することができ,近年盛んに研究されているContraction理論との類似から制御器・推定器設計アルゴリズムへの応用が期待できる. 加えて,非線形最適制御問題の数値解法である逐次ガラーキン法に対して微分差分作用素の数式処理を応用し,計算コストの大きい数値積分を回避し,積分値を差分方程式から間接的に求める方法についても検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特定の構造を持ったシステム表現の検討は,制御器・推定器の系統的な設計を行う上で重要であるものの,元の計画である具体的な設計アルゴリズムの検討までは進められていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
今までの成果においては,陽に与えたホロノミック関数が議論の出発点となっているが,Pfaffian系という偏微分方程式系でホロノミック関数の定義が陰的に与えられていることを鑑みれば,議論の出発点も偏微分方程式の形で陰的に与えるのが自然だと考えられる. 以上の考察から,逐次ガラーキン法における基底関数の直交性などの性質を,直交多項式などを用いて陽に与えるのではなく,偏微分方程式などの形であえて陰的に考慮することで,ホロノミック関数の汎用性を十全に活かしたアルゴリズムの設計について検討を進める.
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