空間データ特有のエッジエフェクトの影響を考慮した実用可能なパラメータ推定法の確立
Project/Area Number |
22K17864
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60030:Statistical science-related
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
力丸 佑紀 統計数理研究所, リスク解析戦略研究センター, 特任准教授 (80736009)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | 空間自己回帰モデル / 空間ラグモデル / エッジエフェクト / 弱定常性 / 最尤法 / 空間統計 |
Outline of Research at the Start |
近年,スマートフォンなどを通して得られる位置情報や人工衛星から送られる大規模な宇宙温度データなど,より複雑な構造の空間データが増え,その分析の需要も増えてきている.この空間データの解析方法のひとつに,空間的な相関構造をモデル化することで,データの裏に潜む現象を理解する方法がある.本研究では,空間相関を表現するモデルのひとつである空間ラグモデルに注目し,自然なデータ生成メカニズムの設定のもと,現象をよりわかりやすく正確に記述するためのモデルを推定する方法を理論的に導くことを目的とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
空間計量経済学における空間ラグモデルの最尤法によるパラメータ推定について,漸近有効推定量を得るには8つの仮定が必要だと述べているLee(2004)の主張に基づき,空間モデルに必須な空間重み行列の設定を隣接行列(空間計量経済学でよく使われる),空間オルシュタインウーレンベック過程(Whittleモデルの形に書き換え可能),巡回行列(空間ラグモデルと似たモデルの空間斉次自己回帰モデルにおける近似尤度を提案したRikimaru and Shibata(2016)の近似尤度で計算を容易にするために用いた)の3つの場合で考え,Leeの仮定を具体的にパラメータの条件として表現しなおし,空間統計学で設定される弱定常性の仮定との包括関係を理論的に示した.その包括関係を探る中で,Lee(2004)は実際のデータ生成メカニズムに弱定常性を仮定しておらず,データ生成メカニズムとモデルを同じものとして扱い,行列演算で表現していることがわかった.しかし,データ生成メカニズムを行列演算で表現した場合,空間過程ではそのエッジエフェクトが積の形で現れ,その影響が非常に大きくなりやすく無視できないため,不自然な設定になるはずである.そこで,まずはその不自然さを探るために,行列演算を用いているLee(2004)の推定法において,観測領域を広げたときに,空間ラグモデルの誤差の共分散構造にどのような変化が起きるのかに注目して具体的に数式で計算しているところである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定の範囲内で結果が出ており,計画通りに進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在行っている誤差の共分散構造の計算の結果,Lee(2004)のデータ生成メカニズムの設定が不自然だと判明した場合,Lee(2004)が提案した尤度による推定量の評価が必要になる.予想としてはLee(2004)の方法ではエッジエフェクトの影響が大きく,漸近有効性を実現できないと考えている.そこで,令和5年度は漸近有効性を実現する尤度を検討していく.その手始めとして尤度へ導入する縮小率を決定するつもりであるが,これはRikimaru and Shibata(2016)における空間斉次自己回帰モデルの近似尤度の研究を参考にし進められるものと考えている.
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)