機械学習システムを高信頼化するNバージョン構成手法の研究
Project/Area Number |
22K17871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 60050:Software-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
町田 文雄 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50842209)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | Nバージョン機械学習システム / 信頼性 / 多様化 / ニューロンカバレッジ / 機械学習システム / Nバージョン構成 |
Outline of Research at the Start |
機械学習を組み込んだ情報システムの応用が広がり、システム設計における品質管理の課題が生じている。特に自動運転車などの高信頼性が要求されるシステムでは機械学習の出力の不確実性を考慮したシステムの品質設計に課題がある。本研究では従来ソフトウェア信頼性工学の分野で用いられたNバージョン構成手法を応用し、機械学習システムを高信頼化する設計手法を提案する。Nバージョン構成法の有効性は経験的に知られているが、その原理は究明に至っておらず、最適な構成の決定手法は未解決の課題である。本研究ではNバージョン構成法による多様性とシステムの出力の信頼性の関係を明らかにすることで最適な構成を決定する手法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では多様な入力データと多様な機械学習機能を組み合わせて構成されるNバージョン機械学習システムによる信頼性向上効果を究明することを目的としている.Nバージョン機械学習システムでシステムの出力の信頼性が向上することはこれまで実験的に確かめられていたが,信頼性向上の条件や原理の究明に課題があった.この課題に取り組むため,初年度はN=3の場合,すなわち3バージョン機械学習システムの解析と評価に注力して研究を実施した.3バージョン機械学習システムの基本となる構成として3つの異なる構成方式を挙げ,各構成方式による信頼性向上効果と,モデルの多様性,入力データの多様性を関係づける信頼性評価式を導出した.これにより,どのような条件で3バージョン機械学習システムが有効となるかを明らかにした.これを足掛かりに,一般のN(>3)の場合に拡張してNバージョン機械学習システムの信頼性評価式を導出した.また,理論的な解析と並行し,研究課題1として挙げた信頼性向上のための入力データ多様化方法について研究を進めた.ニューラルネットワークを用いて画像分類をする機械学習システムを想定し,入力画像加工による入力データ多様化でシステム出力の信頼性がどのように向上するかを調査した.ニューロンの発火状態の変化を評価するニューロンカバレッジ向上率という指標を新たに開発し,本指標が信頼性向上に有効なデータ多様化方式を探索する指標となり得ることを実験的に明らかにした.これらの研究成果は国際会議DSC2022およびPRDC2022にて論文発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究ではNバージョン機械学習システムによる高信頼化に関し,①信頼性向上のための入力データ多様化方法,②多様な入力と機械学習機能の組み合わせ手法,および③時間的な多様性変化も考慮した出力決定方法について研究する.これまでの研究により,①②について概ね期待した通りの研究成果が得られている.①についてはニューロンカバレッジ向上率と呼ぶ指標を導入することで,ニューラルネットワークを使った画像分類システムのデータ多様化方法を提案し,その有効性を明らかにした.②についてはN=3の場合について多様な入力と機械学習機能の組み合わせるNバージョン機械学習システムの信頼性を評価するモデルを解析し,成果を論文発表している.一般のNの場合についても信頼性評価モデルを開発し,現在成果をまとめた論文を学術雑誌に投稿している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に挙げた3つの課題のうち③の課題に着手する.これまでの研究では複数の機械学習機能から得られるほぼ同一時点での出力結果を組み合わせる静的なシステムを想定した.しかし実世界のセンシング情報を利用するような機械学習システムでは,入力データが絶えず変化する可能性があり,より動的なシステムとして多様な入力データを利用できると考えられる.具体的な応用として自動運転における物体検出を想定し,空間的および時間的に多様な入力データを用い,信頼性の高い出力結果を得る意思決定方式について研究を進める.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)