Project/Area Number |
22K18000
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々木 健介 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90872862)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | ラマン散乱分光法 / scRNA-seq / 機械学習 / ラマン散乱 / 遺伝子発現 / 細胞 |
Outline of Research at the Start |
細胞の遺伝子発現パターンは細胞種によって異なり、細胞外環境に応じて時々刻々と変化する。遺伝子発現解析は定量PCRやRNA-seqに依存してきたが、これらの手段はある時点での発現パターンしか調べられず、細胞をその後に利用することはできないため、非破壊的に遺伝子発現を推定する技術の開発が望まれる。本研究では細胞のラマン散乱スペクトル(細胞指紋技術)を利用することで、光学顕微鏡観察するだけで生きたまま遺伝子発現パターンを推定する技術を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
事業開始当初の計画は細胞のラマン散乱スペクトル画像(RSI)と遺伝子発現プロファイル(GEP)を取得し、RSIからGEPを推定するための回帰モデルを樹立することであった。しかしながら、RSIを取得した後にGEPを取得するには技術的に困難であったため、画像ではなくラマン散乱スペクトル(RS)をもちいた概念実証実験に切り替えた。年度中途での事業廃止のため、現段階で回帰モデルの樹立に至っていないが、達成状況と浮き彫りになった課題について報告する。 RSを計測した細胞を効率よく回収するため、まずラマン散乱顕微鏡と細胞回収ロボットであるTOPick1細胞ハンドリングシステムを連携させた。これによりRS計測と細胞回収は1クリックで達成される実験装置の開発が達成された。細胞は1つずつ処理され、RS計測後は10秒以内にlysisバッファーで溶解される。賞味2日程で約100細胞を処理可能であり、RS計測から細胞回収の成功率は90%を超える。 ヒトiPS細胞(iPSC)から神経系細胞へと分化誘導し免疫組織化学染色を行ったところ、約80%がSox2陽性、約45%がNestin陽性、約35%はTuj1陽性であった。これら不均質な神経細胞系譜(iPS-NC)148細胞とiPSC 148細胞からRSを計測し、さらに、それらからscRNA-seqによってGEPを取得した。線形判別分析によると、iPSCとiPS-NCはRSを用いれば99%%の精度で判別可能であった。同様に、GEPにもとづいて判別した場合では100%%の精度で判別できた。RSからGEPを回帰することは十分に可能であると考えられるが、現在までに結論は得られていない。また、本実験装置では細胞は単離されている必要がある。組織中や接着培養中の細胞を対象に実験するにはさらなる技術開発が必要であることが浮き彫りになった。
|