乳腺オルガノイドをモデルとした放射線応答/発がんにおけるΔNp63αの核心的役割
Project/Area Number |
22K18031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 63020:Radiation influence-related
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
工藤 健一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00805799)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 放射線 / 放射線誘発がん / ΔNp63α / p63 / DNA損傷応答 / 放射線応答 / ヒト人工多能性幹細胞 / オルガノイド / 放射線抵抗性 / 幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
TP63遺伝子はスプライシングバリアントのΔNp63に p53アンタゴニストとしての機能が認められていたにもかかわらず、今日の放射線医学・生物学においてその重要性が議論されることはほとんどない。そこで本研究では、表皮・乳腺など上皮組織中の基底細胞に発現するΔNp63αに着目し、放射線照射後に誘発される細胞のDNA損傷応答に対する阻害性を確認して、放射線誘発がんへの関与について調査する。手法として、作製したヒト乳腺オルガノイドを対象に、放射線を照射してΔNp63α陽性/陰性細胞の放射線応答の解析を行うほか、ΔNp63α配列を導入したヒト人工多能性幹細胞に導入して、ゲノム不安定性への関与を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞をBMP4とレチノイン酸処理によりケラチノサイトへ分化させ、entopicallyにΔNp63αを発現させた。この実験は科研費番号19K20455で行ったΔNp63α導入ヒトiPS細胞に対する対照実験である。このヒトiPS細胞由来ケラチノサイトに対し、X線を照射して放射線応答を観察したところ、前年度まで実施した科研費番号19K20455の結果と一致して、ΔNp63αを発現したヒトケラチノサイトはヒトiPS細胞に比べて著しい放射線抵抗性を獲得した。この結果からΔNp63αは皮膚、乳腺を含む基底上皮の放射線抵抗性の原因となっていることが示された。 一方で、ヒトケラチノサイトのΔNp63αをsiRNAでノックダウンしても有意差がつくほどの効果は得られなかった。ΔNp63αの発現量は継代を繰り返すことで減衰するが初代細胞におけるノックダウン効率は低いものと見られる。ΔNp63αは肺扁平上皮がんなどのがん組織で発現することが知られるため、ΔNp63αは治療ターゲットのひとつと見なされている。しかしこのようなノックダウン効率の低さから、がんを含む初代細胞に対するΔNp63αノックダウンにはRNAi以上の手法が必要となり、さらなる研究開発が必要と考えられた。 本研究成果は2022年6月サンフランシスコ開催の国際学会2022 ISSCR Annual Meetingにて発表した。また、科研費番号19K20455の成果を含め、2022年10月に海外誌Radiation Oncology 17巻183ページに論文を公開した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)