Project/Area Number |
22K18049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
須網 暁 岐阜大学, 工学部, 助教 (80828666)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 汚泥利用 / 炭化物 / 汚泥炭化物 / 非平衡プラズマ / 発光スペクトル / 硫酸アンモニウム |
Outline of Research at the Start |
本研究では,廃棄物資源から硫酸アンモニウムを合成する新たな方法を開発する.汚泥炭化物中の硫黄成分とマイクロ波で誘起される非平衡プラズマに着目することで,汚泥炭化物(導電性物質)のアシストにより非平衡プラズマを発生させ,プラズマのエネルギーにより硫酸アンモニウムを含んだ炭化汚泥肥料を製造し,肥料としての硫酸アンモニウム供給不足の問題を克服する.本実験では,アルゴン気流中で汚泥炭化物にマイクロ波を照射し,アルゴンの大気圧非平衡プラズマを発生させ,そのプラズマエネルギーにより汚泥炭化物中に含まれている硫黄酸化物と,排ガスなどに含まれるNO2およびH2Oを反応させることで硫酸アンモニウムの合成を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,汚泥から高性能な堆肥を製造する技術の開発を目的としている.その新規技術として,プラズマ反応場において硫黄もしくは硫酸成分を含んだ炭化汚泥と,NO2およびH2Oなどのガスを反応させることで,堆肥としても硫酸アンモニウムを含んだ炭化汚泥の新規合成技術を開発する.本実験では,アルゴン気流中で汚泥炭化物にマイクロ波を照射し,アルゴンの大気圧非平衡プラズマを発生させる.その発生したプラズマのエネルギーにより汚泥炭化物中に含まれている硫黄酸化物と,NO2およびH2Oを反応させることで硫酸アンモニウムの合成を行い,新規の硫酸アンモニウム合成プロセスを構築する.本研究では,主に次の項目を明らかにする.1.汚泥炭化物にマイクロ波を照射した時のアルゴンの大気圧非平衡プラズマの発生挙動,2.NO2とH2Oの混合ガスと,汚泥炭化物中硫黄との反応による硫酸アンモニウム生成挙動,3.マイクロ波出力や,NO2およびH2O濃度が硫酸アンモニウムの生成に与える影響の評価.本年度は,非平衡プラズマ発生中にアンモニアガスを導入し,模擬試料として選定した硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムとの反応実験を実施した.実験後の模擬試料をSEM・EDX分析し,試料表面における性状や元素成分を把握した.一方で,汚泥炭化物を用いた非平衡プラズマの発生についても詳細な実験を実施しており,炭化物の充填量やマイクロ波出力,アルゴンガス流量を変化させた際のプラズマの発光挙動を検討した.これらの成果については,国内学会や国際会議等で発表を行なっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの実施済み内容として,大気圧非平衡プラズマの発生実験に使用する汚泥炭化物について,小型炭化装置を用いて乾燥汚泥を炭化することで汚泥炭化物を作製し,汚泥炭化物中の硫黄割合や比表面積を測定した.その後,当研究室所有の実験装置にて,汚泥炭化物にマイクロ波を照射することで,アルゴンの大気圧非平衡プラズマ発生させた.汚泥炭化物を用いてアルゴンの非平衡プラズマが発生可能なことを明らかにした. 本年度は,非平衡プラズマによる硫酸アンモニウムの生成を確認するため,硫黄酸化物とアンモニアガスによる硫酸アンモニウムの生成実験を行った.実験は,非平衡プラズマを発生させている最中に,アルゴンガス流通中にアンモニアガスを混入し,非平衡プラズマの反応活性により硫黄酸化物とアンモニアを反応させた.硫酸化物には,模擬試料として硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムを使用した.両化合物は汚泥炭化物に含まれている成分のため,模擬試料として選定した.実験後,SEM・EDXによる模擬試料表面の観察や成分分析を行った.現状における模擬試料表面のSEM・EDX分析から,窒素成分は検出されなかった.そのため,窒素系化合物やアンモニア分子は模擬試料表面には存在せず,硫酸アンモニウム結晶にも至っていない結果となった.この理由として,プラズマ反応場において模擬試料とアンモニアガスとの接触が最適でないこと,硫酸アンモニウムを生成するに必要な実験および装置条件を満たしていないことが考えられ,これら今後の検討課題が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究研究で,プラズマ反応場において固相中の硫酸物とアンモニアガスを反応させて硫酸アンモニウムを固相上に生成するには,様々な実験方法の改良が必要であることが判明した.そのため,今年度は非平衡プラズマを用いた硫酸アンモニウム生成のプロセスを再検討することとする.また,固相における硫酸アンモニウム生成は現状において困難な可能性が高いため,固相における生成ではなく,気層における硫酸アンモニウムの生成も検討する.その方法として,プラズマ反応場に二酸化硫黄やアンモニアガスを導入することで,硫酸アンモニウム生成を検討する.一方で,近年ではプラズマによる堆肥などに使用可能な化合物の合成は注目されつつもある.そのため,硫酸アンモニウムに限らず,非平衡プラズマを用いた他の化合物の合成案も検討する.
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