Project/Area Number |
22K18091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中谷 早苗 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (10779888)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日系アメリカ / モダン・デザイン / トランス・ナショナル / 日系アメリカ研究 / 日米文化関係 / デザイン / 芸術 / 建築 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日系アメリカ人二世デザイナーのイサム・ノグチ、ミノル・ヤマサキ、ジョージ・ナカシマに焦点を当て、冷戦期、第二次世界大戦後の新たな日米関係を背景に彼らがアメリカ文化の中でいかなる位置付けを与えられ、それを彼らがどのように利用し、時には拒否しながら自らの芸術を追求したのかということを明らかにする。特に、彼らをめぐる流動的な人種、ジェンダー、階級の言説がいかに彼らの活動に影響を及ぼしたのか、そして彼らのデザインがいかに既存の「モダン」の定義を揺るがし、文化的多様性に関する議論を喚起したのかという側面に注目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2つの学会に参加し、本研究課題に関する知見と人脈を広げることができた。Washington University in St. Louis で開催されたシンポジウム “Moonscape of the Mind: Japanese American Design after Internment” では、木工家具作家のジョージ・ナカシマの強制収容所での経験とその後に日本で製作された麻の葉模様の家具との繋がりについて発表した。このシンポジウムで生まれた縁から、2026年にアトランタのHigh Museum of Art で開催されるイサム・ノグチ展に関するプロジェクト・チームに参加し、様々な分野の専門家から自らの研究についてもフィードバックを受ける機会に恵まれることとなった。海外の研究者と情報を共有し、互いの分野からの視点を通して議論に貢献していく中で、日系アメリカとデザインに関する研究をさらに深化させていくことができると考える。
University of California, Riversideで開催されたGlobal Asias Conferenceでは、ミノル・ヤマサキの建築について発表し、アジア系アメリカ研究を牽引する研究者の一人から、人種の観点から建築や都市計画を論じることについての有益なフィードバックを得ることができた。
また、前年度に引き続き、国会図書館において香川県の「デザイン県」としてのブランディングにいかにノグチとナカシマが重要な役割を果たしたかを裏付ける資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、前年度に計画していた通りに、二つの国際学会において発表を行い、第二次世界大戦時の日系アメリカ人の強制収容と都市環境という二つの文脈に日系アメリカ人デザイナーのイサム・ノグチとミノル・ヤマサキの仕事を位置付けて考察することができた。これらの学会を通じて類似するテーマの研究者と交流し、有益なアドバイスや情報を得ることができた。
イサム・ノグチとジョージ・ナカシマの香川県における活動についての資料収集については、一旦終了の目処が立った。論文にまとめる中で、追加調査の必要が出てくればその都度対応することとし、今後はアメリカにおける彼らの活動についての調査に重点を置く。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度、2023年度の資料調査をもとに、2024年度にはAmerican Historical Associationの学会で金子正則香川県知事とイサム・ノグチ、ジョージ・ナカシマの関係について発表する。発表に対する他の研究者からのフィードバックをもとに、人とアイデアの国境を越える移動の中でいかにモダン・デザインが議論され、発展させられてきたかについての論文をまとめる。
また、スミソニアン博物館所蔵のトシコ・タカエズ・ペーパーズを利用し、日米のモダン・デザインの発展における日系の女性作家の役割についても調査を進める。
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