セクシュアリティをめぐる差別・抑圧の相克に向けた交渉戦略モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
22K18116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
元山 琴菜 北陸先端科学技術大学院大学, グローバルコミュニケーションセンター, 講師 (60813243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 非異性愛者 / 差別 / マイクロアグレッション / 特権性 / セクシュアルマイノリティ / インターセクショナリティ / コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
マイクロアグレッション(以下、MA)とは、無意識・無自覚のうちに、差別の意図を持たない人によって行われる、捉えがたい日常的な差別を指す(Sue 2010=2020)。本研究は、「非異性愛者はどのようなMAを経験し、その発信者と公平な関係性を構築するために、いかなる交渉をしているのか」という問いを基に研究を進め、①現代日本社会に即したMA概念の理論と、②MA被経験者と発信者との公平な関係性の構築に向けた交渉戦略モデルの構築、を目指す。そのため、国内における非異性愛者への生活史聞き取り調査と韓国での現地調査および聞き取り調査を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本社会において非異性愛者が経験する、捉えづらく・言葉にしづらい差別の在り方を検討するものである。このような、日常的で捉えづらい差別は「マイクロアグレッション」(以下、MA)と呼ばれており、加害側に悪気がないという特徴をもつ。 本研究では、非異性愛者への聞き取り調査から、MAの経験を可視化し、現代日本社会に則したMAの理論化と、MA被経験者と発信者との公平な関係性の構築に向けた交渉戦略モデルの構築を目指している。 本年度はまず、文献整理、セクシュアルマイノリティに関連するイベント等への参与観察、および、数人への非異性愛者への聞き取り調査を行った。現時点で分かったことは、第一に、非異性愛者に対するMAに該当する言動は日常的に繰り広げられているが、その内容を差別的だと認識している当事者ばかりではないということである。深い考察は今後の課題であるが、MAは知人や家族などから発せられることも多く、その人たちが悪意をもっていないため、当事者もそれらがMAに該当するとは認識しづらい現状があることを示唆している。しかし、だからこそ、MAという概念や言葉は、当事者のエンパワメントにつながること可能性があることが確認できた。第二に、近年広がりを見せる「LGBT歓迎ムード」が、特権集団がMAを発信する可能性を高める可能性があることが分かった。近年の非異性愛者への社会的動向を考察した結果、「LGBT歓迎ムード」が経済的活動に従属して広がり、社会的特権集団が見せかけの人権意識のままLGBTを支持するという状況を生み、MAの温床となる危険性も見えてきた。第三に、セクシュアルマイノリティ支援者を指す「アライ」と当事者との間で理解の齟齬が生まれている可能性があることである。これに関しては、次年度により深い調査および考察を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期段階に残っていたコロナの影響もあり、予定していた非異性愛者への聞き取り調査はできなかったが、それでも数人への聞き取りは実施できた。また、参与観察も実施し、セクシュアルマイノリティ当事者と非当事者との間の相互作用についても考察できた。しかし、次年度は韓国でのフィールド調査を予定しており、その準備が予定より進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、非異性愛者への聞き取り調査および参与観察を行う予定である。さらに、MAが生じた際の、受信者と発信者の間で生じうる理解の齟齬をより深く理解するため、セクシュアルマイノリティを「アライ」として支援する人たちへの聞き取り調査も行う予定である。さらに、日本の特徴を明らかにするためにも、韓国でのフィールド調査を実施予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)