Project/Area Number |
22K18275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 裕史 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40224547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 敦志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 併任 (40280739)
村松 正幸 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所, 主幹研究員 (10626419)
浅地 豊久 新居浜工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70574565)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,220,000 (Direct Cost: ¥19,400,000、Indirect Cost: ¥5,820,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | ECRIS / 多価イオン生成 / 低周波数RF電磁波 / ICR / LHR / 多価イオン / RF |
Outline of Research at the Start |
電子サイクロトロン共鳴(ECR)多価イオン源(ECRIS)における多価イオン高収量化は,創始者Gellerの1970年以降,遮断密度回避の常套的手段であるマイクロ波高周波数化と磁場強度増大に基づく改良で,今や第4世代は超電導磁場中への45-60GHzマイクロ波が用いられようとしている.本課題ではこのような多価イオン高収量化と異なり,遮断密度制約がない低周波数電磁波共鳴によって多価イオンの高収量化を図り,それらの機構等を解明するとともに各種実機への適用を可能とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では加速器科学とその応用分野で広く用いられている電子サイクロトロン共鳴(ECR)多価イオン源(ECRIS)において,従来の常套手段であるマイクロ波高周波数化と磁場強度増大に基づく改良での多価イオン高収量化と異なり,遮断密度制約のない低周波数電磁波共鳴で多価イオン高収量化を図り,その機構等を解明し各種実機への適用を目指す.ここではGHz帯マイクロ波ECRISへ,低周波数RF電磁波でイオンサイクロトロン共鳴(ICR)及び低域混成周波数共鳴(LHR)を引き起こし,ECRによって生じたポテンシャル・ウェル緩和や軽Zイオンの選択的な加熱により多価イオン種クーリング助長,そして電子の追加熱等による多価イオン生成の効率化を図る.低周波数RF電磁波は真空窓等を経て高真空中に導入したアンテナから給電して導入する.アンテナは水冷と絶縁が欠かせなく,かつECRISプラズマ生成に甚大な影響を回避する必要ある.従ってICRとLHRの場合それぞれで予備的実験を含めて形状等の最適を図る必要がある.最適化されたアンテナを負荷として,それぞれの低周波数RF電源において整合器等の仕様を決める.本研究では20kHz~1MHzのICR実験から行い,イオンビーム及びプラズマ計測し,その効果を確認した後にLHR実験へ移行する手順としている.前者のICR実験では具体的にはAr並びにXe動作ガスに関する導入軽ZガスとしてそれぞれHeとArとし,共鳴周波数はそれぞれ約400kHzと40kHzの低周波数RF電磁波の整合を取った.試作アンテナでのECRISプラズマ生成やイオンビーム生成への影響を既存電源でRF導入して実験的に確かめたのちに,本実験用アンテナを製作し併せて最適化された新規RF電源と整合器を製作して本実験を行い,多価イオン生成の高効率化における新たな低周波数電磁波共鳴効果を各種計測等で検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023(R5)年度は当初から試作したMo製予備的ICRアンテナをECRISに設置してGHz帯マイクロ波導入による本来のECRプラズマ生成や多価イオン生成への致命的な影響の有無や予備的ビーム計測等を実験を行い,低周波数RF導入部真空窓とターン数,ピッチ,及び形状等を確定してICRアンテナ設計に入り,形状・材質等を定めた.これらの実験結果は8月末の国内学会や9月のイオン源国際学会で発表した.関連する原材料納期遅延の影響で当初納期2023(R5)年10月であった前年度2023(R5)年1月発注の低周波数RF電源(主要設備)は同年7月に納入され,信号源の任意波形発生器(主要設備)と信号強度や周波数をモニターするオシロスコープ(主要設備)を導入した.ICRアンテナとRF導入系(主要施設)は予備的実験の知見を基に新たに開拓した加工業者と約1年の設計上のやり取り後,同年9月下旬発注し2024(R6)年1月中旬に納入に至った.ECRIS本体に設置し真空引き,ベーキングや放電洗浄のコンディショニングを経てプラズマ生成並びに高圧電圧印可によるイオンビーム引き出しが可能になった2024(R6)年2月下旬にRF電源メーカー技術者立ち合いの下でICRアンテナ負荷への整合器の微調整を経て,ICRアンテナへの低周波数RF導入本実験を遂行できる状況となった.2024(R6)年3月中旬時点でAr動作ガスで引き出した多価イオン電流価数分布に対しHe導入時の多価イオン電流価数分布の高価数側へのシフト確認後,低周波RF電磁波を導入時の効果を検証中である.現在低周波RF電磁波の導入は最大300Wに対して約70W程度でICRアンテナがソースと考えられる不純物発生が確認しaging等が必要と考えられる.なお,イオンビームのRMSエミッタンス測定や静電プローブによるECRプラズマのパラメータ測定を同時に行いつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
ECRISに挿入するICRアンテナはセラミック溶射の絶縁加工を施している.このことが低周波RF電磁波導入時のECRISへの不純物混入原因となっている.多価イオン生成は高真空度下な為,ArやXe動作ガス圧への低Zガス導入効果の妨げとなる.十分なaging等のコンディショニングが必要となると考えられるが,不純物発生が問題とならないより高圧力領域での効果に検証が必要になる可能性もある.また,元来ECRIS内に存在しない構造物であるICRアンテナの挿入を行っているので,致命的でないことは確認済みであるが,元来のECRISの多価イオン生成効果を劣化させているので,ECRISによるECR効果をより高めるECR用アンテナをより効果が期待できるヘリカルアンテナを設置したり,また,このヘリカルアンテナをECRISの上流側と下流側の双方に設置してDual-ECRによって効果を高めて行る方策を講じる予定である.また,RF電源面の課題としては,ICRは40kHzや400kHzとより低周波電磁波であるために,整合器の整合が取れる範囲が非常に狭く,実験条件を定めるために周波数をサーベーすることが困難であることが判明した.ICRアンテナは真空下でその空間的位置が可動な仕様でこのとは周波数変化と補完的であるが,実験中に位置を変えることは困難である.今後これらの問題を引き続いて設計製作を開始するLHRアンテナへフィードバックを掛ける予定である.周波数帯域はMHzとなるため,整合取れる周波数帯域は多少広くなることを期待している.また,ICR等によるイオンの選択的加熱をビームで実証するためにRMSエミッタス測定を予定しているが,そのより高精度化を図ると共に,イオンビーム引き出しでのロスの低減も課題であり,これらの改良も併せ行う必要があると考えられるので,これら改良した構成の設計製作に取り組む予定である.
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