摂動解析の動的非線形化による凸凹パターン変態の全貌解明
Project/Area Number |
22K18284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 18:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 大 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70362283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 壮 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80800317)
松原 成志朗 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (40823638)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
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Keywords | 固体力学 / 材料力学 / 分岐座屈 / ゲル / 高分子合成 / 不安定変形 / パターン変態 / 表面形態制御 / 表面不安定 / ソフトマテリアル |
Outline of Research at the Start |
以下のように研究項目①~④を設定し研究目的を遂行する. 研究項目① 摂動解析の動的非線形化による孤立クリースの基礎的解析 研究項目② クリース解析におけるメッシュ依存性の制御方法の解析基盤構築 研究項目③ プレパターンを用いた3次元凸凹パターン変態の評価・観察手法構築 研究項目④ 凸凹パターン変態の全貌解明と検証実験
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,摂動解析の動的非線形化による凸凹パターン変態の全貌解明を目的とする研究課題に取り組んでおり,今年度の研究業績は以下のようにまとめられる.まず,摂動解析の動的非線形化による孤立クリースの基礎的解析の研究項目について,この手法を用いて,リンクル開始点からクリース開始点に繋がる不安定経路の存在を明らかにした.また,連鎖モデルを新しく構築して理論的な説明とパラメータ同定にも成功しており,論文を投稿準備中,次年度中に論文化する見込みである.続いて,クリース解析におけるメッシュ依存性の制御方法の解析基盤構築の研究項目について,上述の不安定経路の解析によって,クリースの前駆変形の特徴寸法と要素分割の関係が明らかとなっており,これらの情報に基づく基盤構築が予定されている.さらに,プレパターンを用いた3次元凸凹パターン変態の評価・観察手法構築の研究項目では,ゲル化過程のダイナミクスに基づくパターン変態観察手法の開発に成功しており(Nagashima et al., Langmuir, 2023),この手法と組み合わせて研究を進める.プレパターン作成のために,次年度,3次元プリンタを購入して取り組む.その他の実績としては,ゲルの粘弾性特性を研究した論文が掲載可(Matsubara et al., Adv. Struct. Mater., accepted)となっており,リンクルパターンからリッジと呼ばれる波長に対して振幅の大きなパターンの発生機構の解析の分岐座屈特性も明らかとなった(田中ら,計算数理工学論文集,2022).これらの成果も,今後の研究の展開に関わる材料物性や変態特性を含んでおり,相乗的な進展を期待している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要に記載したように,研究課題はおおむね順調に進んでいる.とりわけ,まだ業績としては確定していないが,摂動解析の動的非線形化による孤立クリースの基礎的解析に成功していることが重要である.これまで未解明であった分岐座屈としてのリンクルの発生と単純な分岐ではないとみなされていたクリースの発生の間の合理的な説明を可能とする計算モデルと理論の構築に成功しており,申請者らの極めて独自性の高い成果である.これに関連して,計算の研究項目も進展が期待されている.実験については,ゲル化過程のパターン変態という,申請者らの独自の手法を用いて,溶媒吸収という時間のかかる現象によらないパターン変態の再現と観察の方法を構築しており,この手法からの発展として成果の獲得に期待している.以上のことから,本研究プロジェクトは実験だけでなく,理論や計算の側面からも着実に進展しており,順調に進んでいると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,2年目の次年度は,摂動解析の動的非線形化による孤立クリースの基礎的解析に関する論文を注目度の高い国際雑誌に掲載させることが重要となる.クリースの発生はハーフスペースの表面で発生するスケールフリーの特徴を有するが,発達過程は膜厚などの寸法に依存する.このため,単層だけでなく二層構造体の場合の発達過程の評価も重要になる.実験では,プレパターンと呼んでいる欠陥を導入することによって,パターンの制御を試みる.パターン間のエネルギー差は小さいと予測され,欠陥の導入精度が重要となるが,超微細3次元プリンタを用いてこの問題を解決できることを期待している.
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)