Development of molecular crystals of catalytic engines driven by chemical reactions
Project/Area Number |
22K18333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 肇 北海道大学, 工学研究院, 教授 (90282300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 竜生 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00232348)
陳 旻究 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 准教授 (90827396)
関 朋宏 静岡大学, 理学部, 講師 (50638187)
高見澤 聡 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 教授 (90336587)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | 有機結晶 / 分子機械 / 錯体触媒 / 結晶相転移 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、触媒活性のある金属錯体や有機触媒の弾性結晶を作成し、触媒の化学反応と、結晶構造の変化やそのマクロレベル構造の変化を連動させ、触媒反応の化学エネルギーを直接「機械的な力」に変換する分子システムを構築することである。さらに分子ドミノ相転移の原理を活用し、結晶内での反応の同期現象と振動現象が実現させ、触媒的に働く化学・力学変換機構である結晶性錯体分子触媒エンジンを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
筋肉や鞭毛運動などの生命の動力システムでは、化学エネルギーが分子レベル・ナノレベルの機構を通じて、マクロスケールの「機械的な力」にダイレクトに変換されている。生命のシステムではありふれたものであるが、これを分子レベルから再現した人工システムは未だ作られておらず、「化学」が太刀打ちできない「生命」の高度な機能の一つであるといえる。有機結晶は相転移によって結晶の形「外形」が大きく変化する場合がある。相転移においては、分子のコンフォメーションや分子間相互作用のパターンが、熱や光などの外部環境により変化し、結晶構造の変化が集積して結晶の外形の変化につながり、力学的な力が発生する。有機結晶の反応と構造変化、相転移を活用して、これを人工的に再現するのが本研究の最終目的である。結晶内部で進行する触媒反応を用いて、結晶構造の変化と、外形の変化を繰り返し誘起することができれば、力学的な力を発生することのできる化学反応エンジンができる可能性がある。本年度は、触媒活性はないものの、塑性変形をする有機結晶の挙動を調べて成果を上げた。塑性変形と熱による相転移を併せ持つ結晶は、温度変化によりマニュピレーター様の動きを示す。一方で、触媒活性のあるロジウム(I)からなる遷移金属錯体結晶の作成は、化合物の不安定性から成功には至っていない。より安定な金属錯体を用いることや、安定な有機触媒の結晶を用いることで問題が解決できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究は、次の二つの方向性で研究を行った。一つは塑性変形をする有機結晶の温度による相転移を詳細に調査し、「熱で動く結晶」について詳細な知見を得たことである。これについては熱駆動型マニュピレータ、形状記憶有機分子の創成につながる成果を得ている(Chem Sci 2022, 9544)。もう一つの方向性として、触媒活性をもつ有機金属錯体の結晶を作成することである。ロジウム(I)錯体は、アルケンの選択的水素化で使われる Wilkinson錯体 [RhCl(PPh3)3]のように、様々な反応の触媒となることが知られている。本年度は、立体障害の大きなNHC配位子をもつロジウム(I)錯体を合成し、この単結晶を作成することを試みたが、ロジウム(I)錯体の不安定性から、グローブボックスを使用して分解を防ぐ工夫をおこなっても、良好な結晶を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で、触媒活性をもつ遷移金属触媒の単結晶を、当初考えていたほどには容易に得られないことが判明し、また得られたとしても、目的とする触媒活性、結晶の動きが得られる保証がない。この研究を行うためには、少なくとも結晶の作成が容易であることが必要である。このような観点から、合成がより容易な有機触媒の結晶にフォーカスをうつす。例えば、結晶性の酸あるいは塩基の単結晶を作成し、その固体状態における触媒活性の挙動を検討するなどして、手がかりをつかむ。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)