Geomagnetic navigation of marine animals: Elucidation of the function of similar circling movements observed across marine megafauna taxa
Project/Area Number |
22K18369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 45:Biology at organismal to population levels and anthropology, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (50300695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢崎 友子 名城大学, 農学部, 助教 (30772298)
中村 乙水 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 助教 (60774601)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
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Keywords | バイオロギング / ウミガメ / 魚類 / 野外調査 / ペンギン / ヒラマサ / ホシエイ / オオミズナギドリ / 外洋性魚類 / データロガー |
Outline of Research at the Start |
過去には地磁気・嗅覚・視覚に関する個別の研究がなされ、動物にそれらの知覚能力があることは立証されている。本研究課題は、地磁気ナビゲーションに着目し、野外における実態を明らかにしようとするものである。 多様な海洋動物に発見された共通の旋回行動が、動物自身による地磁気検知に関連したものであるという仮説を検証するために、野外における検証実験を実施する。背中に行動記録計とビデオカメラを取り付け、同時に頭部に磁石を取り付けて放流し、一定期間後に磁石のみを自動脱落させることで磁気感覚を撹乱し、その前後の旋回行動の有無や進路を比較することで旋回行動が磁気感覚に関連しているか否かを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
過去にキングペンギンから得られたデータを解析し、繁殖を行う島から数百km以上離れた採餌海域まで往復する間の3次元遊泳経路を調べた結果、キングペンギンは昼夜に関わらず、水中でも水面でも進むべき方向を定位する能力を持っていることが強く示唆された。 岩手県の繁殖地である船越大島で育雛しているオオミズナギドリ成鳥を、船舶により沖合100kmまで離れたところに移送し、行動記録計を取り付けた上で放鳥し、島に戻ったところを捕獲することでデータを得た。島に戻るまでの経路上で,オオミズナギドリは時々旋回行動を行ったが、時々着水する旋回は採餌に関連したものと考えられた。一方、着水せずに空中を数回以上旋回する行動は、他の海洋動物にみられた旋回行動と同様に,地磁気測定に関係していた可能性がある。 山口県上関町で行動記録計を取り付けて放流したホシエイからデータを得ることができた。半年以上に及ぶ回遊経路は瀬戸内海の中に留まっていたが、広く数百キロメートルを泳ぎ回るといった生態が見えてきた。特定の場所に戻る必要が無いためか、今のところ旋回行動は確認されていない。 沖縄県八重山郡黒島において、刺し網で捕獲したアオウミガメに,行動記録計とビデオカメラを取り付けた後、捕獲場所とは異なる島の反対側に移送して放流したところ、数日以内に捕獲された場所に戻ることが確認できた。不思議なことに、時計回りと反時計回りの2通りの経路の内、島の東側を経由して元の位置に戻ることが判明した。そこで、北で捕獲した個体を島の西側で放流してみたが、遠回りになるにも関わらず、やはり南側と東側を経由して捕獲場所に戻ることが判明した。 生け簀の中のヒラマサに行動記録計を取り付けて行動を測定したところ、生け簀内を旋回する際に旋回の周期に合わせて左右に傾きながら遊泳する行動がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の対象種を用いた野外調査を実施して、共通の旋回行動を記録することはできた。しかし、その旋回行動が磁気感覚に関連したものであるという仮説を検証するための磁気感覚攪乱実験をマンボウを対象に実施したものの、旋回行動は観察できていない。円形水槽の周辺にコイルを巻いて、垂直方向の磁力変化を与えてヒラマサの行動変化をみる実験を行ったが、行動に反応は見られなかった。アカウミガメ(稚ガメ)も円形水槽内の磁場を変化させる実験を実施したが、明瞭な行動変化はみられなかった。以上の経緯を踏まえて「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き各種野外調査を実施するが、新たに亜南極圏におけるキングペンギンを対象とした調査を行い、旋回行動がどのタイミングでみられるかを調べる予定である。また、黒島においてアオウミガメを用いた野外調査で、島から沖合に運んで放流する実験を行い、島に戻ることが確認できた場合には,頭部に装着した磁石を途中で切り離す磁気感覚攪乱実験を実施する予定である。また、サメ類を対象として磁力変化を経験させる水槽実験や,磁石をつけて放流し、途中で磁石を切り離す磁気感覚攪乱実験を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)