多機能化一本鎖抗体によるアミロイドβ凝集体細胞内スワイプ療法の開発
Project/Area Number |
22K18380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe |
Principal Investigator |
星 美奈子 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (30374010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 慎一 自治医科大学, 医学部, 教授 (10239543)
笹原 智也 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (30735345)
石井 佳誉 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (40799045)
豊島 近 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任教授 (70172210)
喜井 勲 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (80401561)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 神経変性疾患 / 神経細胞死 / 異常凝集体 / アルツハイマー病 / 治療法 |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病は、Aβ由来毒性凝集体が発症トリガーとなるが、毒性凝集体の形成過程は不明で、凝集体を選択的かつ早期に除去する方法はなかった。星らは、Aβが特定の細胞内小器官に運搬される細胞では毒性凝集体ASPDが形成されないことを見出し(星:未発表)、毒性凝集体の選択的除去が重要かつ可能であるとの認識を得た。そこで、低分子化抗体を蛍光標識化しASPDナノセンサーとすることで細胞内ASPD形成過程を解明し、次に、細胞内小器官への局在シグナルを付加し、ASPDを神経内で捕捉し細胞内自己消化(スワイプする)という計画を立案した。これは全く新しい試みであり、挑戦的研究として実施する意義は大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病は、アミロイドβ(Aβ)由来毒性凝集体が発症トリガーとなる。生理的に産生される未凝集Aβには神経保護作用があることが最近解ったが、毒性凝集体の形成過程は不明で、βを除去せず凝集体を選択的かつ早期に除去する方法はなかった。星らは、Aβは全神経で産生されるが、AD発症に直結すると考えられる毒性Aβ凝集体「アミロスフェロイド(ASPD)」は興奮性神経細胞でのみ形成されること、Aβがある細胞内小器官に運搬される細胞ではASPDが形成されないことを見出し(星:未発表)、毒性凝集体の選択的除去が重要かつ可能であるとの認識を得た。そこで、抗ASPDヒト化抗体を低分子化蛍光標識しASPDナノセンサーとすることで細胞内ASPD形成過程を解明する。次に、低分子化抗体にライソゾーム局在シグナルを付加し、ASPDを神経内で捕捉し細胞内自己消化、スワイプするという本共同研究を立案した。 初年度に、ヒト化抗ASPD抗体を一本鎖抗体にすることで低分子化した。これにHALOタグと細胞内小器官移行能を付与した多機能化低分子化抗体を構築した。今年度、多機能化低分子化抗体が、ASPDを実際に補足し、細胞内消化出来るかどうかを定量的に評価する系を、神経芽腫細胞を用いて構築した。その細胞系を用いて評価した結果、ASPDを捕獲し、除去する能力を持つ、3種類の候補を見出すことが出来た。これらについてさらに長期培養をした成熟神経細胞を用いて評価を行った結果、神経細胞内で形成されたASPDを除去することがわかった。さらに、予想外の結果として、抗ASPD抗体由来の一本鎖抗体は、ASPDを破壊する性能があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載したとおり、本研究の目的とする多機能化低分子化抗体を得ることが出来た。予想外の結果として、抗体がASPDを破壊出来ること、細胞内小器官への移行を決める配列が従来の報告とは異なることがわかったが、それを踏まえても、予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる今年度は、以下を実施する。 1:多機能化低分子化抗体のHALO標識を活用して、ASPDが形成される部位を特定すること。 2:細胞内小器官移行配列を至適化すること。 3:病態モデルマウスの脳に投与して効果を見ること。 また、上記抗体の構造生物学的解析も進める予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)