Project/Area Number |
22K18397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中田 光俊 金沢大学, 医学系, 教授 (20334774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 治道 金沢大学, 医学系, 客員教授 (20135007)
尾崎 紀之 金沢大学, 医学系, 教授 (40244371)
河崎 洋志 金沢大学, 医学系, 教授 (50303904)
堀 修 金沢大学, 医学系, 教授 (60303947)
中嶋 憲一 金沢大学, 先進予防医学研究科, 特任教授 (00167545)
木下 雅史 金沢大学, 医学系, 講師 (50525045)
中嶋 理帆 金沢大学, 保健学系, 助教 (60614865)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 脳浅層ネットワーク / 脳機能シフト / 脳可塑性 / 覚醒下手術 / 脳科学 / 脳解剖 / 機能シフト |
Outline of Research at the Start |
脳の機能は決められた場所に固定され動かないと考えられていた。我々は覚醒下脳手術を通して、脳内病変の進展に伴い本来の機能局在が移動する「機能シフト」と言われる現象を直接観察し報告してきた。これを来した場合、従来の機能領域を摘出しても障害は残らない。本課題では脳の根幹に迫る謎である「脳機能シフト」の構造的メカニズムを解剖学的観点から解明することを目的とする。この研究により脳神経外科手術方針が変わり、脳科学研究への多大な貢献が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳機能は脳の決められた場所に局在し動かないと考えられていた。我々は覚醒下脳手術を通して、脳内病変の進展に伴い本来の機能局在が移動する「機能シフト」と言われる現象を直接観察し報告してきた。これを来した場合、従来の機能領域を摘出しても神経症状をきたさない。一方で、申請者らは大脳浅層を構成する脳回内に、隣り合う脳回及び同一脳回の神経線維が収束する円錐状の構造体を見出しcrossingと命名した。Crossingは片側大脳に200箇所程度点在し、これを起点とした網目状の神経ネットワークが形成されている。本課題では脳の根幹に迫る謎である「脳機能シフト」の構造的メカニズムをcrossingを主体とした解剖学的観点から解明することを目的とする。 本研究は下記4つのステップでプロジェクトを展開する。1) 機能シフトの範囲と方向の同定、2) Crossingの形態的・組織学的結合解析、3) 機能的ハブ(動かない範囲)の同定、4) 機能シフトとCrossingの関連解析、最終的には脳可塑性メカニズムを軸とした新規脳神経外科治療コンセプトを確立する。 2年目までに、ステップ1-3を実施した。ステップ1に関しては、言語機能、視空間認知機能を中心に解析を進め、言語の機能シフトの法則、およびシフトの限界を同定した(論文投稿中)。現在は視空間認知機能を含む他の高次脳機能について解析を進めている。ステップ2については、形態的解析としてマウス、およびヒト脳を用いて脳を透明化することに成功し、神経線維の顕微鏡的観察を行っている。ステップ3については、脳浅層ネットワークのグラフ理論解析を用い、構造的ハブを同定した(論文投稿準備中)。また、浅層ネットワークの特徴およびハブの分布を左右の大脳半球間で比較した結果、左右で異なることを見いだした。なお、ステップ1-3は現在も研究進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、ステップ1-3を実施した。ステップ1に関しては、言語機能および視空間認知機能について、覚醒下マッピング所見、安静時機能的MRI、画像統計解析を用いて、機能シフトの方向、およびシフトの限界を同定した。また、解析している運動、感覚と合わせ、高次脳機能におけるシフトの特徴について解析した。現在は視空間認知機能を含む高次脳機能について解析を進めている。ステップ2については、形態的解析のマウスおよびヒト脳を用いて透明化し、神経線維を可視化することに成功した。ステップ3については、拡散テンソル画像を用いて脳浅層ネットワークを描出し、グラフ理論解析により構造的ハブを同定した。また、浅層ネットワークおよびハブの分布の左右差について検討した。同様の手法を用いて、機能的ハブを同定し、現在はハブの役割について研究を進めている。なお、ステップ1-3は現在も研究進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、ステップ1-3を継続して実施する。ステップ1に関しては、視空間認知機能を含む他の高次脳機能についての解析を進める。ステップ2については、マウスおよびヒト脳で成功した脳の透明化技術を用い、Crossingの可視化を試みる。また、軸索染色を行い、crossing と神経線維の走行の立体構造を把握する。ステップ3については、同定した構造的ハブの機能的役割の解明、構造的ハブと機能的ハブの関連を検証する。
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