Project/Area Number |
22K18409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 秀憲 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40294889)
矢寺 和博 産業医科大学, 医学部, 教授 (40341515)
和泉 弘人 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50289576)
江口 尚 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50722146)
鈴木 克典 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (70389435)
川波 祥子 産業医科大学, 産業医実務研修センター, 教授 (70449940)
大和 浩 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90248592)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 新型コロナウィルス / 予防 / マイクロ飛沫 / 感染 |
Outline of Research at the Start |
本申請において、マイクロ飛沫粒子の空気中の挙動である流体力学的理論を基盤としたマイクロ飛沫の挙動を室内環境モデルにおける様々な挙動パターンや感染対策効果を分析し、さらに新型コロナウイルス患者の感染状況や企業の対策を分析データにフィードバックして検証する。また、従来からの3対策の効果を数値定量化することを加えることにより、総合的に室内環境に応じた新型コロナウイルス感染対策手法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
産業医科大学の模擬居室において、発語や咳嗽によって発生する微粒子を二次元レーザー光線で可視化するとともに、異なる6種類の粒子径の個数濃度を同時にカウントするパーティクルカウンター4台を用いて、口元から正面に距離や角度の異なる粒子の挙動と微粒子の個数濃度を、換気の無い状態、通常の居室の換気回数、換気強化の3つの条件で測定する設定を行った。ゼミ室において、エアコン・機械換気装置・空気清浄機等のON/OFFを切り替えた状態で在室者を仮定した呼吸量の二酸化炭素をボンベから発生させながら、二酸化炭素濃度・温湿度および粒子濃度の経時変化を記録して、シミュレーション結果と合わせて解析を進めている。一方で、過去に感染の広まったことのある介護施設における環境測定により、二酸化炭素濃度・温湿度の経時変化を解析することで室内の換気状態を評価した。結果より、部屋全体としての平均的な感染リスクを推定するとともに、リスクのマッピングを行い、対策による相対的なリスク低減効果について評価し、より効果的な対策についての検討を行っている。 in vitro試験に用いるウイルス(VR-990)が作製できたため、19の壁や床材などの試験片に対する抗ウイルス効果の評価を4回にわけて実施した。20nmのシリンジフィルターで捕獲したRNAウイルスを用いて、ウイルスの発現量をRT-PCRにて解析したところ、比較的正確に評価できていることが確認できた。 大学病院で判明した新型コロナウイルス感染症患者からの感染の状況について聞き取りを行った。特に重症化した患者では、ワクチン接種歴がなく、換気が十分でない環境下での接触が感染の契機となっていることが判明した。 新型コロナウイルス感染症への対策状況を確認するために、介護施設を訪問し、感染対策の現状の視察と介護職員に対して新型コロナウイルス感染症対策の実際についてヒアリング行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルスの空気挙動としてのデータや、壁などに付着した感染量(ウイルスの遺伝子発現量)に関するデータなど順調に蓄積しており、進捗状況としては順調に進展していると考える。病院や施設からの新型コロナウイルス感染や防止対策のfeedbackデータは、感染症の分類が第5類に変更されたりして、データの回収が必ずしも十分とは言えないが、適宜feedbackを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
模擬居室において、通常の会話レベルの発語、大声での会話による発語をした場合の微粒子粒子の挙動について、二次元レーザー光線での可視化およびパーティクルカウンターでの粒子数の測定を行う予定である。 引き続き、省スペースでの実験条件に合わせたシミュレーションを実行し、二酸化炭素濃度および粒子径毎の粒子濃度の経時変化の実測値についてそれぞれ解析を進めるとともに、計算結果を実験結果と比較する。完全混合モデルに基づく室内均一濃度での感染リスク推定モデルを、局所的な二酸化炭素濃度あるいは粒子濃度の偏りを考慮した感染リスク推定モデルに拡張し、感染対策の効果を定量的に評価できる方法について検討する。さらに、聞き取り調査の結果を参考に、可能な範囲でモデル化、シミュレーションへの取り込みを試み、評価を行うことで、室内環境に応じた新型コロナウイルス感染症感染拡大に関する対策手法を検討する。 今年度に考案した捕獲ウイルス(20 nmのシリンジフィルターにウイルスを捕獲し、溶解したサンプルからRNAを精製)を使って種々の被験物質の抗ウイルス効果を評価する。 大学病院等で新型コロナウイルス感染者の聞き取り調査を行っていく。 2023年度に行ったヒアリングや調査結果をもとに、試作したシミュレーションモデルについて産業医向けのヒアリング、それをもとにした調査票調査を行い、シミュレーションモデルに資する情報収集を行う。
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