Project/Area Number |
22K18419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
池口 徹 東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (30222863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 寛太郎 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (00557704)
岡田 直大 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (40797122)
島田 裕 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50734414)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥25,480,000 (Direct Cost: ¥19,600,000、Indirect Cost: ¥5,880,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
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Keywords | 興奮性・抑制性ニューロン比率 / 精神疾患 / ネットワーク構造 / ネットワークダイナミクス / MRI / 神経科学 / 興奮性ニューロン / 抑制性ニューロン / 神経疾患 |
Outline of Research at the Start |
脳神経科学分野における最もホットなトピックの一つが,脳の発達過程における興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの不均衡が導くとされる,精神疾患の発症に関連する内容である.これらの研究成果は,統合失調症,双極性障害をはじめとする種々の精神疾患の病態解明や予防・治療の開発にも貢献すると期待されている.しかし,なぜ興奮性・抑制性ニューロン比率の不均衡が精神疾患の発症を導くのか,脳内情報処理に対してどのような影響を与えるのかという課題が未解明である.そこで本課題では,神経回路網と学習の数理モデルを用いた大規模数値計算と実際の精神疾患患者のMRI画像解析によって,これらの問題を解明するものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,(1)なぜ興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの比率は4対1なのかを明らかにすること,(2)興奮性・抑制性ニューロン比率の存在理由を明らかにする過程で得た知見を元に,自閉症スペクトラム,アスペルガー症候群,広汎性発達障害,統合失調症などの種々の精神疾患の発症メカニズムをニューラルネットワークレベルからの解析により明らかにすることである. 本年度は,(1)の目的を達成することを中心に研究を遂行した.まず,興奮性・抑制性ニューロン比率を変化させた場合,どのような処理が困難となるのか,興奮性・抑制性ニューロン比率がニューラルダイナミクスに与える影響を解析した.その際,ニューラルネットワークでの学習は,ニューロンの応答 (状態変化) によりスパイクが出力され,それに応じて,ニューロン間のシナプス結合が増強,減弱される.そこで,興奮性・抑制性ニューロン比率を変化させた場合に,出力情報の統計量の変化を解析することで,ダイナミクスを定量化し,生理学的比率において,発火率が最適となること,ネットワーク上を伝播する情報量が最大化されること,ネットワーク構造がフィードフォワード化されることなどを明らかにした.これに加えて,脳・神経系の数理モデル構築を進め,その過程でニューラルネットワークリザバーを用いた異常検知手法の開発や分類問題への応用、膵β細胞への応用などの成果を得た. また,(2)の目的を達成するための準備段階として,精神疾患患者の脳機能データ解析のために,精神疾患患者・健常者総計60名分のMRI画像を新たに取得した.さらに,脳機能データのネットワーク解析への応用を念頭に,テンポラル・ネットワーク構造の予測手法,およびネットワーク中で重要な役割を担う頂点を推定するためのランキング手法を提案し,種々のネットワークに対してその有効性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数理モデルの構築による,興奮性・抑制性ニューロン比率の最適原理の解明を順調に住めることができている.また,MRIデータ取得も順調に進みつつある.さらに,精神疾患発症メカニズム解明に向けた脳・神経系の数理モデル構築が進展している.これらの理由により,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,数理モデルを用いた興奮性・抑制性ニューロン比率の最適性原理解析を進める.その際,ニューラルネットワークの数理モデル学習には,ヘブ型学習のSpike Timing Dependent Plasticity 学習を用いたが,新たな学習として,時空間学習則などを用いることで同様の解析を行う予定である. また,脳画像データの前処理や共同研究者間におけるデータ共有準備を進める.さらに,脳・神経系の数理モデル構築による精神疾患発症メカニズムの数理モデル研究を進める.
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