思想史研究による「内面-外面」図式の再考に基づく、「心」概念の探究枠組みの刷新
Project/Area Number |
22K18446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 徹也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00710394)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 内面 / 外面 / 心 / 懐疑論 / 内面と外面 / 表象 |
Outline of Research at the Start |
「我々人間が知覚している世界は、常に、感覚器官を通して自己の内面に立ち現れているもの= 表象(現れ)である。言い換えれば、知覚の直接の対象は外界の事物それ自体ではなく、表象という心的な存在者にほかならない」。本研究はまず、こうした「内面-外面」図式の内実を解明するために、古代から現代に至る西洋の思想史の展開において、この図式がどのように生まれ、変容していったのかを跡づける。そしてそのうえで、「内面-外面」図式を相対化し、この図式の本性を捉えるために、現代における懐疑論や実在論などの多様な展開を分析し、それらが古来の議論にどう応答しうるものであるのかを批判的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「内面-外面」図式ときわめて密接なかかわりのある、他者の内面にまつわる懐疑論をめぐって、その内実と問題を明らかにする研究を遂行した。具体的には、関連する懐疑論全体を、(1)外界一般に対する懐疑論、(2)他者の内面の存在それ自体に対する懐疑論、そして、(3)他者の内面の内容に対する懐疑論とに腑分けしたうえで、一方では古代の西洋哲学においてそれらの起源がどこに求められるかを探究しつつ、他方では、各懐疑論の特徴の違いについて、現代哲学の成果も取り入れながら解明を行った。 そのうえで、アウグスティヌスやデカルト、ヒュームなどにおける懐疑論(論駁)の内実を比較したほか、彼らの議論を踏まえて展開されるスタンリー・カヴェルやトマス・ネーゲルらの懐疑論批判、そして、懐疑論の可能性をめぐって重要な議論を展開しているルートウィヒ・ウィトゲンシュタインの議論を跡づけた。そして、それらの議論から、人間の生における懐疑論(特に(3)の懐疑論)の位置づけを明確にしつつ、さらに、人間の心とはどのように特徴づけうるかという問題について、言語の習得における心的概念の役割の特徴というものに着目することで、「内面-外面」図式自体を掘り崩す端緒となる論点を提示した。 なお、以上の研究の成果は、単著『このゲームにはゴールがない:ひとの心の哲学』(筑摩書房、2022年)および共著『英米哲学の挑戦:文学と懐疑』(放送大学教育振興会、2023年)として公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の段階で、単著『このゲームにはゴールがない:ひとの心の哲学』(筑摩書房、2022年)および共著『英米哲学の挑戦:文学と懐疑』(放送大学教育振興会、2023年)の刊行というかたちで成果を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を基に、「内面-外面」図式の源泉について、さらに深く思想史的研究を推し進めつつ、同時にそれを踏まえ、言葉と心の関係という観点を軸にして、「心」概念の内実を掘り下げて古来の特徴づけを批判的に検討する作業を行う。具体的には、言葉と思考や、言葉と世界観といった関係性をめぐって、古来の言語起源論や言語批判などの検討を詳しく行うことを、現段階では予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)