Project/Area Number |
22K18450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚本 由晴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40262274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 範久 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (70738533)
斎尾 直子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80282862)
佐々木 啓 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (10853468)
真田 純子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (60452653)
能作 文徳 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (10650228)
須崎 文代 神奈川大学, 建築学部, 准教授 (20735071)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 事物連関 / 道具 / 伝統構法 / 普請 / 適材性適所性 / 不変の行程 / 里山 / サーキュラーエコノミー / 自然素材 / 隣接性 / 不変の工程 / デザイン論 / 建築教育 / 伝統知 |
Outline of Research at the Start |
経済成長を前提とした20世紀型の社会の限界が明らかになり、地球環境と地域社会の持続可能な発展が喫緊の課題となる今日、身近な資源に基づく暮らしを再生するための「事物連関型デザイン知性」の開発が求められる。地域資源を活かした暮らしと伝統知が今も残る里山であり、先進的な地域社会と自然環境の再生が行われている千葉県鴨川市釜沼集落をフィールドとして、本研究は暮らしをとりまく事物のつながりを再発見・再縫合するデザイン教育の実験を行う。その成果を里山保全活用マニュアルにまとめ、里山を社会教育の資源として利活用する理論的・実践的な基礎を築くことで、本研究は脱産業的な21世紀型のデザイン教育への転回に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
学部3年から修士2年の建築学を専攻する学生を対象に、里山スクールオブデザイン(Satoyama School of Design)を実施した。里山の3つのフィールドに分かれて活動を行った。1,既存植生の調査を下敷きに最小限の介入によって異なる草花のコロニーを形作っていく「動いている庭」(フランスの園芸家ジル・クレマンによる概念を参照)を実践し、その付属小屋として2019年の台風被害によって吹き飛んだ金属瓦屋根をサルベージし掘立柱形式の「ファクサイ庵」を設計施工した。2,炭焼き小屋に付属する既存倉庫を、籾殻・ヨシ・竹などを用いて断熱補強し、田んぼの土を使って土壁で仕上げ、サルベージした畳を用いて寝台を設置した「炭庵」を設計施工した。3,古民家裏手に広がる旧棚田斜面に頻出するボラ穴(水の浸食により生じる地表の陥没)の観察を通して、山から谷へと降る水道を把握し、最小限の介入によって生物多様性に繋がるようなレインガーデンの設計施工を行った。 またこれらの成果をドローイングにまとめ、建築専門誌にて記事を発表した。 里山における稲作を中心とする生業を、季節ごとの作業に分け集落の住人にヒアリングし、資料調査で情報を補足したうえで、サーキュラーエコノミー、資源循環の観点から整理した。また、里山への活動に参加する都市部の人々にヒアリングを行い、参加動機とキーパーソンの呼びかけ(価値づけ)との関係について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者がそれぞれの調査・実践を展開し、一定の成果を得ている 今年度報告に至らなかった内容についても、R6年度に実践を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、R4年度とR5年度に建築学を専攻する学生を対象に里山をフィールドにした合宿を複数回開催してきた。この合宿をベースに新築タイニーハウスを3棟、既存改修によるタイニーハウスを2棟、学生が主体となって設計施工を行い、里山における事物連関型のデザインを実践的に学び、ドローイングとしてその成果を発信した。最終年度となるR6年度は、里山に通う社会人も対象とし、ワークショップなどを通して事物連関型デザイン知性の開発を進める。 これまでの研究活動から、里山においては複数の仕事のそれぞれに不変の行程があり、それらが同時多発的に進行し、かつ互いに連関していることが明らかになってきた。これに基づき里山利用マニュアルの小冊子の作成を行う計画である。 持続可能な集落にあたって、都市部の人びとの参加が重要であることに鑑み、継続的な活動を行っている人にヒアリングし、参加を重ねたことによる役割の変化について明らかにする。また、都市部の人びとの里山維持活動への動機を詳細に明らかにするために、原体験についてヒアリングし、動機との関係を整理する。
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