Project/Area Number |
22K18452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小野 文子 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10377616)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ジャポニスム / アートマーケット / 消費文化 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、消費文化という視点からジャポニスムの実態を明らかにし、芸術交流史を広く文化・経済等の社会史の中で捉え、ジャポニスム研究について、「経済」という新たな客観的指標を得ることである。そこで、本研究では、19世紀後半のロンドンのアートマーケットに着目し、アートギャラリーやオークションハウスでの展示・即売会に関わる調査、日英経済交流及びイギリス商社の美術・工芸品の売買に関わる調査を行い、日本の美術作品や工芸品がどのような位置を占め、消費されたのか、グローバルな市場における価格やシェア等について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はイギリスでの調査を予定していたが、コロナ禍により海外への渡航が困難であったこと、また同様にイギリスにおけるアーカイブが平時とは違う運用になっていたことから(主に感染予防のための利用者制限、また人員不足による開館日数の削減)、イギリスへの渡航は断念した。しかし一方で、調査を予定していたナショナル・アート・ライブラリーを併設しているヴィクトリア・アンド・アルバートミュージアムのキーパーであるアンナ・ジャクソン氏が来日したことから、対面で情報収集、意見交換を行うとともに、令和5年度の現地調査についての助言を得た。また、グラスゴー大学美術史学科のシニアレクチャラー兼同大学附属ハンテリアン・アート・ギャラリーホイッスラー関連学芸員であるパトリシア・ドゥ・モントフォート氏とオンラインでミーティングを行った。同氏は美術館・博物館・美術商・紳士クラブなどが開催したロンドンの展覧会について総合的かつ精緻な研究を行なっており、詳細の検索が可能なExhibition Culture in London 1878-1908(University og Glasgow)をオンラインで公表している。そこで、ドゥ・モントフォート氏に本研究の主旨、研究計画を説明し、意見交換を行うとともに、美術商による展覧会やセールカタログについての情報を得た。 以上に加えて、19世紀から20世紀初頭にかけてのアートマーケットや日英経済交流に関する基礎文献を収集した。また、美術商が開催したと考えられる日本美術の展示会、価格表示がされているという記載のあるセールカタログに関する所蔵等について情報収集し、リスト化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はロンドンでの調査を中心に進めるものであるが、コロナ禍によるアーカイブの利用制限(人数と開館日の大幅な削減)があったことから、タイミングよく渡英することができなかったことが主な遅延の理由である。しかしながら、令和5年度はほぼ渡航制限が解除されており、現地調査が可能となることから、研究を進めていくことが可能となる。人員削減によるアーカイブの開館状況は未だ改善されておらず、懸念事項ではあるが、この点についてはヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムのキーパーであるアンナ・ジャクソン氏に調査の協力を依頼をしたことから、ある程度の基礎的な情報収集を行うことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は海外渡航が可能となることから、イギリスでの調査、また対面による情報収集を積極的に行う計画である。調査地と対面による意見交換等は主にロンドンとグラスゴーとする。具体的な実施内容と方法は以下のとおりである。 ①19世紀から20世紀初頭にかけての展覧会文化やアートーケットについての大きな業績をもつグラスゴー大学のパトリシア・ドゥ・モントフォート氏と対面で情報収集、意見交換を行う、②グラスゴー大学美術史学科主催のセミナーにおいて講演を行い、専門家各位に広く研究内容の紹介を行い、日本画を含む美術・工芸作品の売買に関する情報提供を呼びかける。また、セミナーでは意見交換も行う。 ③2022年度に行ったアンナ・ジャクソン氏との意見・情報交換から、ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムには19世紀当時からの購入記録が残されており、価格が記載されているものが多くあることが分かった。そこで、同ミュージアムが19世紀半ばから20世紀初頭にかけて購入した日本の美術・工芸作品のリストを作成する。また、このリストをもとにジャクソン氏の協力を得て、同ミュージアムにおいて調査を行う ④ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムのナショナル・アート・ライブラリーにおいて、画廊が開催した展示即売会等のカタログ等を調査する。
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