Project/Area Number |
22K18491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20581101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能城 修一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (30343792)
本多 貴之 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40409462)
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60376639)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 金漆 / 塗料 / 古代工芸 / カクレミノ / 東アジア / 樹液 / 樹皮 / 樹脂塗料 / 古代技術 / 対馬 |
Outline of Research at the Start |
古代東アジアの樹脂塗料「金漆」の復元を試みる。金漆は漆とは全く異なり紫外線にて硬化する塗料であり、中国の台州、朝鮮半島西南部、日本の九州地方の特産品であり、中国や渤海への贈答品ともされたが、13世紀後半には生産されなくなり、中国・朝鮮半島でもその技術が途絶えている。近年、この金漆がカクレミノの樹液である可能性が指摘されたが、まだ数多くの謎が残されている。本研究では九州地方のカクレミノ・コシアブラ・タカノツメ群生地を調査、樹液採取して分析し、それぞれの樹脂の性質・特徴を明らかにするとともに、九州の金漆産地としての特性を解明し、かつ塗布法についての検討を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、古代東アジアにおいて注目されていた樹脂塗料「金漆」の復元を試みるものである。金漆は紫外線にて硬化する塗料であり、中国の台州、朝鮮半島西南部、日本の九州地方の特産品であって、武具や神社の神宝を始めとした金属製品・木製品・革製品に塗布され、光り輝かせるほか、錆止めの効果も持っていた。しかし13世紀後半には生産されなくなり、中国・朝鮮半島でもその技術が途絶えてしまっている。 この金漆は、近年、カクレミノの樹液である可能性の高いことが明らかになった。しかしまだ数多くの謎が残されている。本研究では九州地方のカクレミノ・コシアブラ・タカノツメ群生地を調査、樹液採取して分析し、それぞれの樹脂の性質・特徴を明らかにするとともに、九州の金漆産地としての特性を解明し、かつどのようにして塗布されたのかという問題を検討する。 今年度は前年度の研究を踏まえ、対馬においてカクレミノ自生地調査とその樹皮および樹液の採取を実施、さらにその分析を行なった。また常陸大宮市におけるコシアブラ・タカノツメの樹液採取も委託して実施した。加えて韓国済州島・莞島におけるカクレミノ栽培地の調査、樹皮採取も実施することができた。 成果発信としては、『国立歴史民俗博物館研究報告』に論考1本を公表し、日本文化財科学会におけるポスター発表、また講演会等を実施した。 3月には明治大学にて研究成果検討会を実施し、来年度の研究および研究成果発信(公開講演会開催等)についての計画を策定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対馬でのカクレミノ自生地調査および樹皮採取については成功し、次の課題へと結びつけることができたが、樹液採取については残念ながら採取量が微量にとどまり、化学成分分析を存分に進めることができなかった。一方で、当初想定していなかった韓国のカクレミノ栽培地の調査と樹皮採取を実施できたことは、大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
残された時間と予算の関係から、次年度は首都圏近郊カクレミノ自生地での樹液・樹皮採取を目指す。関心を持つ研究者に3年間の研究成果を公開するために、9月に公開講演会開催を行なう。
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