Project/Area Number |
22K18550
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤川 学 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10273062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 剛司 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40340484)
宮本 直美 立命館大学, 文学部, 教授 (40401161)
新島 典子 ヤマザキ動物看護大学, 動物看護学部, 教授 (70422350)
柄本 三代子 東京国際大学, 教育研究推進機構, 教授 (90406364)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 猫と人間の関係 / ポストヒューマン社会学 / 文化社会学 / 感情社会学 / 社会問題の社会学 / 観光社会学 / 猫社会学 / 動物倫理 / ペットブーム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、猫に関する社会学的知見を共同研究のなかで蓄積し、「猫社会学」を創設することを目的とする。近年、猫と人間の関わりは他の動物やペットよりも深化している。本研究は、そうした関係の深化が、現代社会のマクロな社会構造の変容によって生起していると想定し、そのミクロなプロセスを、家族、感情、文化、社会運動などの諸側面に即して記述し、文明史的な社会理論によって解釈する。そのために、(A)猫を飼った経験がある人や保護猫活動当事者へのインタビュー調査、(B)猫好きな人の社会的・心理的特性や活動のアンケート調査、(C)猫ブームに関する言説のテキストマイニング、(D)上記データの理論的解釈を実施する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、猫を愛する当事者にして、社会学研究者が、猫に関する社会学的知見を共同研究のなかで蓄積し、猫に関わりのある人々のネットワークを広げ、猫社会学を創設することにある。なぜ、他の動物やペットではなく、猫を研究する必要があるのか。それは、近年の猫ブームに代表されるように、猫と人間の関わりが他の動物やペットよりも深化していると想定できるからである。本研究課題は、そうした猫と人間の関係の深まりが、現代社会のマクロな社会構造の変容によって生起していると想定し、そのミクロなプロセスを、家族、感情、文化、社会運動などの諸側面に即して記述し、これを文明史的な社会理論によって解釈することを目指す。とりわけ、ペットと人間の関係を通して家族定義の変容を解析するペット家族論、ペットロスの深刻さや回復プロセスに注目する感情社会学、動物愛護や殺処分ゼロを目指した地域/全国的活動の展開を解析する社会問題の社会学、近年の猫ブームをファン文化の一環として捉える文化社会学、人間と機械や動物の関係変容を文明史・批判理論の観点から考察するポストヒューマン社会学などが理論的な枠組みとなる。これらを、混合研究として組み合わせ、猫に関する社会学的知見を総合化することが、研究期間内の目標となる。 猫社会学の理論と方法を確立するためには、既存の専門領域における固有の問題関心、リサーチ・クエスチョンを明確化するとともに、それを適切な方法のもとで、有機的に関連付ける必要がある。そのため本研究課題では、混合研究法の枠組みを用いて、(A)猫を飼った経験がある人や保護猫活動を行う当事者へのインタビュー調査、(B)猫好きな人の社会的・心理的特性や活動分析(アンケート調査)、(C)猫ブームに関する言説や観念の質的統合法やテキストマイニングによる分析、(D)上記で得られたデータを理論的に解釈する解釈学的研究を4つの柱とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年11月、楽天インサイトのWebモニターのうち、全国18歳以上の男女2000名を対象に、 猫や他のペットに対する意識・実態調査を実行した。猫という存在の意味、猫の魅力、猫をめぐる社会問題、ペットを飼った経験、ペットとのコミュニケーション、ペットに対する意識などを調査した。これを性別、年齢、学歴、職業、経済資本、文化資本、社会関係資本によってどのような差が生じているかを検討中である。 第96回日本社会学会大会(2023年10月9日)において、赤川学が「猫社会学からみた犬社会学の展望」という研究報告を行った。また12月7日に開催された「National Taiwan University (NTU) and University of Tokyo (UTokyo) Day"」において赤川と出口が研究報告を行った。 またこれらの研究に基づき、論文集2冊並びに、学会論文投稿を行った(審査中)。 以上より、おおむね順調に進展している、と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、前年度までに蓄積されたインタビューデータを、質的データ分析の一つであるグラウンデッド・セオリーや質的統合法(KJ法)に基づいて、さらに研究・集約を試みる。 またその成果を生かして、猫好きな人の社会的・心理的特性や活動の特性を分析するWeb上アンケート調査を企画・実施する。社会経済的属性、社会関係資 本、文化資本、猫好きの度合測定、猫好きの活動の特徴などを質問項目として選定した調査結果を学会報告する。また2022年度から継続しているインタビュー調査、アンケート調査の結果を混合研究法に基づいて整理し、論文化、書籍化を試みる。
|