Project/Area Number |
22K18561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
吉良 智子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (40450796)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | ハラスメント / ジェンダー / 美術 / アート / 教育 |
Outline of Research at the Start |
現代日本社会において人権上の観点から、各種ハラスメントに対する異議申し立てが行なわれつつあるが、それらが社会的問題として認識されたのはごく近年のことである。特に美術においては歴史的にも男性権威者から女性へのハラスメント行為が容認されてきた。本研究では、主に近現代日本の美術界におけるハラスメント行為の歴史をジェンダーの視点から考察・比較し、現代社会問題としてのハラスメントに対する提言を行なう。
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Outline of Annual Research Achievements |
現代日本社会において人権上の観点から、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどの各種ハラスメントに対する異議申し立てが行なわれつつあるが、それらが社会的問題として認識されたのはごく近年のことである。特に美術界においては、よりよい作品を創造するための「指導」や「教育」などの美名の下、歴史的にもハラスメント行為が容認されてきた。しかもそうしたハラスメントは主に男性から女性に向けた行為が大半といっても過言ではない。本研究では、主に近代・戦後日本の美術界におけるハラスメント行為の歴史をジェンダーの視点から考察するものである。
当該年度は戦前に刊行された各種美術雑誌(『みづゑ』『アトリヱ』『中央美術』『国画』『塔影』など)に掲載された美術批評を調査した。その結果、美術批評の書き手のジェンダーはほぼ男性であること、その書き手たちは専業の評論家を中心としていること、女性が書き手の場合はあるものの、批評を専業としている者ではなく、他分野で功績を挙げた女性が採用されていたことが分かった。
また女性の作品に対して作家のジェンダーに基づいた不当な批評や評価があることが確認された。現代美術のハラスメントがジェンダーアンバランスな環境下で生じる場合が多いこと、現代においてもジェンダーに基づいた不当な批評が存在することを鑑みると、ハラスメントが今日においてのみ多発しているのではなく、歴史的に存在していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
図書館などでの資料調査が順調に進み、資料を蓄積できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は調査対象が戦前だったが、今後は戦後にまで拡大し、できれば作り手と評価者のみならずモデルに関する記事などにも関心を広げて調査したいと考えている。
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