Project/Area Number |
22K18563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古山 周太郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (80530576)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 地域交流 / マイクロブリュワリー / 地域活性化 / 地域コミュニティ / コミュニティ資源 / 交流人口 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近年、全国各地で開業されているマイクロブリュワリーを対象とし、社会関係の形成と持続可能な地域づくりといった視点から、新たな地域資源としての役割を明らかにすることを目的とする。さらに、マイクロブリュワリーを通じて、現代的なコミュニティ形成の場の条件とその社会的意義を考察する。 マイクロブリュワリーとは、小規模のビール醸造所を指し、スローフードや地産地消の高まりのもと、その数が着実に増加し、さらに住民同士や地域内外の交流の場となっている。その地域固有のビールを求め訪れる観光客も増えており、マイクロブリュワリーは地域に関わりが深い施設であり、新たなコミュニティの場と位置付けられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、全体の研究計画の初年度にあたり、まずは対象となるマイクロブリュワリーに関する全体的な状況を把握すると共に、次年度以降のマイクロブリュワリーの運営団体や利用者への調査に向けた準備を行った。全国的な実態の整理のために、マイクロブリュワリーのデータベースの作成を行っている途上であり、組織形態によるブリュワリーの類型化や、地域ごとの特徴といった分析には至っていない。また、次年度以降の運営組織へのヒアリング調査に向けて、予備的なヒアリングを実施して、調査デザインを開始した段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの進捗状況として、まずは対象となるマイクロブリュワリーに関して、国内の実態の整理を行っている。本研究では、対象となるブリュワリーを、醸造所および飲食スペースをもった小規模なブリュワリーとしている。本年度は、行政資料や新聞雑誌記事等の資料や、検索サイトによるインターネット上の店舗情報から、上記の条件にあったマイクロブリュワリーを抽出し、名称、所在地、運営組織、運営施設、併設施設等の項目を備えたデータベースを作成している。現在、マイクロブリュワリー数自体が増加しており、当初想定した調査対象数が大幅に増えているため、データベース作成に時間を要している。一方、新型コロナの影響により営業休止となっているマイクロブリュワリーもある。そのため網羅的にマイクロブリュワリーを調べるのではなく、地域の特性に応じて調査数を絞ったうえで、当初の研究目的を達成できるよう、調査対象の設定を再検討している段階である。データベースを作成中のために、マイクロブリュワリーの類型化や地域特性、また設置施設や運営の特徴などの分析には至っていない。 また、次年度以降の運営組織へのヒアリング調査に向けて、予備的なヒアリングを実施した。運営者のヒアリングからは、マイクロブリュワリーを地域資源として位置付けて、積極的に住民同士や多世代の交流の場を目指して運営をしていた。また利用者も、マイクロブリュワリーを、日常的に利用し、地域外の人とのコミュニケーションを楽しんでいるなど、新たな居場所となっている可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、引き続きデータベースを作成して、マイクロブリュワリーの類型化や関連データーの分析を行なっていく。データベースの完成後、その情報をもとに、全国のマイクロブリュワリーにアンケート調査を実施する。アンケートでは、組織構成、従業員構成、平均月売上本数と売上額といった基礎データーと共に、商工業者や地元農業者からの支援の実態と、地域に与えた影響や現在抱える課題、今後の方向性といった項目を設定する。特に、併設施設がある場合には、来客層や平均日来客数、情報提供の方法、コミュニティの形成の実態についての項目も質問する。以上の結果をまとめて、運営形態、地域環境、地域関係、コミュニティ形成、といった視点をもとに類型化を行う。 上記の調査の終了後、マイクロブリュワリーの類型ごとに事例を抽出し、運営組織に対するヒアリング調査を実施する。調査では、設立経緯、設立から運営に関わる人的ネットワークの状況、設立後のコミュニティとのつながりといった項目を設定して半構造化面接を行う。さらに、調査協力が得られた5か所程度に対して、来客アンケート調査を実施する。店舗ごとの来客に対して、来店動機、来店頻度、滞留時間と共に、来客間やスタッフとのコミュニケーションの頻度や内容、コミュニティへの影響や評価についての項目を設定する。以上の調査結果をもとに、運営側の意識および社会関係の形成についての実態と利用者側の意識や評価等を総合的に分析することでコミュニティ資源としての役割を明らかにしたうえで、考察を加えて研究のとりまとめとする。
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