Effects of genotypes on neuropharmacological responses of ADHD children
Project/Area Number |
22K18653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
檀 一平太 中央大学, 理工学部, 教授 (20399380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 行史 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80382951)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | fNIRS / 脳機能イメージング / ADHD / 注意欠如多動症 / 発達障碍 / 遺伝子多型 / 薬物応答 |
Outline of Research at the Start |
注意欠如多動症(ADHD)は、不注意、多動、衝動性を中核症状とする発達障碍である。その発症には遺伝的要因が影響すると考えられているが、原因因子は未確定である。そこで、ADHDへの遺伝子の影響は限定的であると考え、その上で治療効果の向上を試みる。これまでADHD児の治療法について、我々は抑制課題遂行時の右前頭前野の脳活動がADHD児の診断と薬効評価に有用であることを見出した。そこで、fNIRSを用い、遺伝子的背景がADHD児の薬物治療に及ぼす影響を脳機能の変化から定量化する。成果として、遺伝子型の違いがADHD児の薬物脳応答特性にどのような影響を及ぼすかを、世界に先駆けて明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、注意欠如多動症(ADHD)児の遺伝的背景が薬物治療にもたらす効果を脳活動のモニタリングを通して明らかにすることである。これによって、遺伝的背景に応じて、ADHD児が自分に合った適切な投薬治療を受けることが可能となる。その第一歩として、遺伝子的背景がADHD児の薬物治療に及ぼす影響を脳機能の変化からとらえる。この準備として、我々は光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法、fNIRS(機能的近赤外分光分析法)を用いてADHDに特徴的な脳機能変化を可視化し、診断や投薬治療効果を客観的に評価する方法を開発した。これまでADHD児の治療法については客観的な基準がなく、治療効果を示すバイオマーカーが希求されていたが、我々は抑制課題遂行時の右前頭前野の脳活動がADHD児の診断と薬効評価に有用な指標であることを明らかにした。このような準備研究をふまえ、我々は、fNIRSを用いて、遺伝子的背景がADHD児の薬物治療に及ぼす影響を脳機能の変化から定量化をこころみた。 本年度は30名のADHD患者について、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)、を含む10種類の遺伝子多型に着目して、解析をおこなった。現在、遺伝子型の分離が良好に進んでおり、各遺伝子型と脳応答、薬物応答との関係について、解析を進めている。当初予定していた被験者数(80名)の確保が困難であるという懸念はあるものの、最重要の仮説である、脳内ドーパミン濃度に差があるCOMT変異において、Met型が投薬後の右前頭前野の賦活回復が、Val型に比べて高いと予想を検証することは可能と推測してる。これによって、遺伝子型の違いがADHD児の薬物脳応答特性にどのような影響を及ぼすかを、世界に先駆けて明らかにすることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、注意欠如多動症(ADHD)児の遺伝的背景が薬物治療にもたらす効果を脳活動のモニタリングを通して明らかにすることである。これによって、遺伝的背景に応じて、ADHD児が自分に合った適切な投薬治療を受けることが可能となる。これまでADHDの原因因子の遺伝子探索は熱心に行なわれてきたが、いまだ決定的な成果はない。そこで我々は、ADHDへの遺伝子の影響は限定的であると考え、その上で治療効果をなるべく向上させるというアプローチを採る。その第一歩として、遺伝子的背景がADHD児の薬物治療に及ぼす影響を脳機能の変化からとらえる。この準備として、我々は光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法、fNIRS(機能的近赤外分光分析法)を用いてADHDに特徴的な脳機能変化を可視化し、診断や投薬治療効果を客観的に評価する方法を開発した。これまでADHD児の治療法については客観的な基準がなく、治療効果を示すバイオマーカーが希求されていたが、我々は抑制課題遂行時の右前頭前野の脳活動がADHD児の診断と薬効評価に有用な指標であることを明らかにした。このような準備研究をふまえ、我々は、fNIRSを用いて、遺伝子的背景がADHD児の薬物治療に及ぼす影響を脳機能の変化から定量化する。 本年度は30名のADHD患者について、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)、ドーパミンの受容体(DRD2)、ドーパミンの合成に関わるANKK1遺伝子の3種類を含む10種類の遺伝子多型に着目して、解析をおこなった。現在、遺伝子型の分離が良好に進んでおり、各遺伝子型と脳応答、薬物応答との関係について、解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の解析において、遺伝子型の分離は極めて良好であり、リアルタイムPCR法により、対象となるSNPが明確に分離できている。しかし、当初予定していた被験者数(80名)の確保が困難であるという懸念である。これまで30名の遺伝子情報の確保に成功したが、遺伝子型の分離比の偏りによって、十分な被験者数が確保しにくいという状況が生じるおそれがある。たとえば、COMT遺伝子の場合、Val型(野生型)とMet型の分離比が4:1程度で、今後の解析に関しては、統計的な工夫が必要になってくることが想定される。しかしながら、最重要の仮説である、脳内ドーパミン濃度に差があるCOMT変異において、Met型が投薬後の右前頭前野の賦活回復が、Val型に比べて高いと予想を検証することは可能と推測してる。これによって、遺伝子型の違いがADHD児の薬物脳応答特性にどのような影響を及ぼすかを、世界に先駆けて明らかにすることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)