Molecular analysis of the effects of environmental factors on higher brain function using iPSC technology and mice
Project/Area Number |
22K18655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (00447335)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 3q29領域欠失 / 疾患モデルマウス / ultrasonic vocalization / 環境エンリッチメント / 環境要因 / iPS細胞技術 |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症(自閉症)の病因や病態の分子メカニズムは不明な点が多く残されています。近年、環境要因が自閉症と関連している可能性が注目されていますが、環境要因が脳機能に影響を与える分子メカニズムはほとんど不明です。本研究では、iPS細胞とヒト型疾患モデルマウスを用いて、不明な点が多い環境エンリッチメントといった環境要因を分子レベルで記述し、自閉症の分子病態の一端を明らかにすることをめざします。
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Outline of Annual Research Achievements |
母マウスを環境エンリッチメント下で飼育することにより、仔マウスの3q29領域欠失内の遺伝子群の発現が増加することを見いだしています(中澤ら、未発表データ)。本年度は、3q29欠失マウスの超音波発声や社会性行動といったコミュニケーション異常の表現型が、母マウスの環境エンリッチメントにより、回復することを調べるとともに、環境エンリッチメント下で飼育した母マウスから産まれた仔マウスの脳内の変化を分子レベルで明らかにすることを目的として研究を実施し、以下の結果を得ました。 ①妊娠期の母体に環境エンリッチメント処理を施し、その後、産仔の生後3日目における社会性行動を測定しました。社会性行動として、仔マウスが母マウスに対してコミュニケーションする際に発する鳴き声(ultrasonic vocalization; USV)に注目しました。その結果、母体の環境エンリッチメント処置により、産仔(3q29欠失マウス)のUSV異常が回復することが明らかになりました(未発表データ)。 ②母体の環境エンリッチメント処置が産仔の脳機能に影響を与える分子基盤の一つとして、産仔の脳内のmRNA発現ネットワークが変化する可能性が考えられます。そこで、環境エンリッチメント処置を施した母体由来の産仔(生後7日目)の全脳RNAサンプルを用いた網羅的RNA発現解析を実施しました。その結果、最初期遺伝子の発現上昇や細胞分裂や運命決定に関わるタンパク質をコードする遺伝子、あるいは細胞内情報伝達を仲介するシグナル分子群をコードする遺伝子などの発現に異常があることが明らかになりました(未発表データ)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の目的であった、母体の環境エンリッチメント処置による産仔(3q29欠失マウス)のUSV異常の回復を示すことができたとともに、その分子基盤の一端として、産仔の脳内のmRNAの発現変動を同定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、環境エンリッチメント処置と脳機能との関連性の分子基盤を明らかにしていく方針です。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)