Project/Area Number |
22K18662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
木津川 尚史 立命館大学, 生命科学部, 教授 (10311193)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | リズム / step-wheel / 線条体 |
Outline of Research at the Start |
脳の中で時間がどのように刻まれているかは未解明の課題である。しかし、パーキンソン病の患者において、L-DOPAの処方により時間処理が正常に戻ることなどから、ドーパミンが入力される大脳基底核線条体が時間処理に関連していると考えられる。我々は、大脳基底核線条体からリズミカルに活動する神経細胞、インタバル反応細胞などを見出している。この細胞が時間処理にかかわっている可能性を神経生理学的手法により解析する。また、逆に、この線条体細胞に外的にリズムを与えて、時間処理への関連を解析し、時間処理モデルを作成することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リズムを利用して運動の改善を目指すものである。リズミカルに走行するマウスの線条体からリズム関連パラメタをコードする神経細胞が見出されたことを基盤としている。昨年度までの実験結果としては、線条体神経細胞の活動の解析から新しい知見が見いだされてきた一方、光刺激実験においては結果の振れが大きく必ずしも想定された結果ではなかった。このことは、線条体による運動制御メカニズムが想定よりも複雑であることを示しており、運動改善のための効率的な刺激方法を見出すためには、記録された線条体神経活動をもとに、より明確なモデルをたてることが必要と考えられた。そこで、大脳皮質‐大脳基底核の神経回路について、これまでの知見を再現するようなモデルの作成を複数行った。作成しているモデルの一つは、観察されたリズミカルな神経活動がいかにして形成されるかについてのモデルである。リザバー型人工ニューラルネットワークを利用して、運動周期に匹敵する周期を生み出す大脳基底核型ネットワークを作成することに成功した。神経細胞の活動周期(数ミリ~数十ミリ秒)に比べて、運動周期(数百ミリ~秒)は桁違いに長いので、これまで知られている人工ニューラルネットワークでは、数百ミリ秒以上の長い周期性を生み出すことは困難であった。これにたいし、我々が作成した新しいネットワークでは、長い周期を生成することが可能であった。この長い周期を生み出すメカニズムを解明することにより、線条体が運動周期、位相を生み出すメカニズムを明らかにして、効率よく運動を遂行する機構の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経活動の記録に関しては、新たな解析により、クロック様のリズムを利用したチャンクをコードしている可能性が見いだされ、新しい発展に至った。光遺伝学を用いた実験では、想定されたような結果は得られていないが、この点を踏まえた上で、さらに内外の知見を加えて、新規の大脳基底核モデルの作成が進んでおり、これまでの人工ニューラルネットワークでは見られなかった長い周期の創出に成功した。このネットワークの活動を解析することにより、効果的にリズムを生み出す条件を設定する。また、このモデルにより、時間制御における大脳基底核の新しい動作メカニズムが提唱できる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
リズミカルに走行するマウス線条体から記録した神経細胞活動をもとにして作成した大脳皮質‐大脳基底核モデルの解析を進める。このモデルでは、運動リズムに近い周期でも活動させることが可能であるので、そのためのパラメタを特定する。特に、大脳皮質と線条体の活動の関係性について解析する。また逆に、長い周期で活動している際に、この周期を破壊するような外乱を与え、神経活動がどのように変遷するのかを解析する。これにより、大脳皮質‐大脳基底核がどのように運動リズムを創出するのか、また、それがいかにして失われるのかを明らかにする。
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