Functional role of the macaque frontopolar cortex for 'thought experiment' during sleep and awake resting state
Project/Area Number |
22K18665
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮本 健太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20778047)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 朋子 東邦大学, 医学部, 助教 (90584433)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 前頭極 / 睡眠 / 反実仮想 / 思考実験 / 霊長類 / メタ認知 / マカクザル |
Outline of Research at the Start |
私たちが寝ている時もしくは起きているが安静にしている時にはマインドワンダリングと呼ばれる、タスクの計画・実行に従事しない期間がある。ぼんやりしていると形容される状態であるが、顕著に活動が増大する脳領域も存在する。本研究は、この期間が思考実験に相当し、新しい事象に対する認知に対する認知(メタ認知・「無知の知」)に重要な、前頭極が睡眠時・安静覚醒時の経験(記憶)の再生、反実仮想、または半事実的思考に重要であり、更には睡眠時の思考実験が睡眠後の新しいタスクへの順応度を変えるというアイデアを検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時・安静覚醒時にはマインドワンダリングと呼ばれるタスクの計画・実行に従事しない期間がある。ぼんやりしていると形容される状態であるが、顕著に脳活動が増大する脳領域も存在する。本研究は、この期間が思考実験に相当し、マカクサルの機能的MRI実験によって代表者が過去に同定した「新奇性に対するメタ認知判断(無知の知)」に関わる前頭極領域が、睡眠時・安静覚醒時の経験(記憶)の再生、反実仮想、または半事実的思考に重要な役割を果たすという仮説を、マカクサルを対象とした神経生理学実験を通じて因果的に検証することを目標とする。この目標に向けて、2022年度は、サルの全脳活動を機能的MRI法と脳波(EEG)記録法を用いて同時計測する技術を開発した。そして、覚醒・睡眠の間の状態変化とも大きく関連のある「意識の消失」・「意識の回復」に伴う全脳神経回路動態を調べた。その結果、本研究課題でターゲットとする前頭極の神経活動が、意識の状態を反映して調節されており、覚醒状態の変化に伴って他の脳領域との機能的結合をダイナミックに変動させていることが明らかになった。また、本研究課題で、サルでの実証を目指している「睡眠時の思考実験が睡眠後の新奇連合課題に影響する」というアイデアを、健常ヒト成人においても検証する連想課題を開発した。その課題に基づいた予備的な行動実験を開始した。思考実験に対する前頭極の役割についてのアイデアをまとめた査読付き総説論文が米国Cell PressのTrends in Cognitive Sciences誌より出版された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目標達成に向けて、前頭極の機能を解明するために、マカクサルの全脳活動を機能的MRI(fMRI)法と脳波(EEG)記録法を用いて同時計測する技術を開発した。具体的には、サルの頭の形と脳の位置にぴったり合った、カスタムメイドのEEGキャップをデザインし、カスタムメイドで作ったMRI撮像用の送受信コイルとともに、頭部を固定したマカクサルの頭部に装着した状態で、EEGとfMRIによる全脳脳活動同時計測に成功した。この技術を静脈連続注射によって麻酔状態を変えられる状況にしたアカゲザル2頭に適用し、覚醒・睡眠の間の状態変化とも大きく関連のある「意識の消失」・「意識の回復」に伴う全脳神経回路動態を調べた。その結果、本研究課題でターゲットとする前頭極の神経活動が、意識の状態を反映して調節され、また、覚醒状態の変化に伴って他の脳領域との機能的結合をダイナミックに変動させていることもわかった。サルの睡眠中の脳活動を計測できるよう、身体を保定された状態で、実験室内にて睡眠をとる訓練を上記2頭の個体に対して実施した。加えて、本研究課題の「睡眠時の思考実験が睡眠後の新奇連合学習へのエンゲージメントに影響する」というアイデアを、健常ヒト成人においても検証する連想課題を開発し、その課題に基づいた予備的な行動実験を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、睡眠・安静覚醒中のマカクの前頭極領域と、視覚野や海馬等、前頭極以外の領域の神経活動を、留置多点微小電極で同時記録する技術を開発する。睡眠・安静覚醒中の前頭極の活動促進と随伴する他皮質領域の神経活動を、2022年度までに開発したEEG-fMRI同時記録法と組み合わせて同定する。あわせて、睡眠の前後にサルに簡単な認知課題を課して、「前頭極と他の領域の同期活動が睡眠前の経験に影響を受けて発生し、睡眠後の探索的・試行錯誤的行動を促進する」という仮説を検証することを目指す。ヒトにおいても同様のパラダイムをEEG-fMRI同時記録実験に対して適用し、睡眠中の前頭極と他の脳領域の間の同期活動が、睡眠後の新奇連合課題に与える影響を調べる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)