Project/Area Number |
22K18688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相川 清隆 東京工業大学, 理学院, 准教授 (10759450)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | ナノ粒子 / オプトメカニクス / 量子光学 |
Outline of Research at the Start |
近年、真空中に浮揚させたナノ粒子の重心運動を超低温へと冷却する技術が発達し、その量子力学的振る舞いを探る研究が進められている。しかし、浮揚させたナノ粒子がどのような形状を持つのか、観測することは困難である。そこで、本研究では、電子顕微鏡の技術を導入し、電子線またはイオン線を利用することで、真空中に浮揚させたナノ粒子の形状を観測する新たな技術を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、浮揚ナノ粒子に対するイオン顕微鏡を実現するための真空槽および原子イオンを生成・観測するための光源の作成に取り組んだ。真空槽としては、ナノ粒子を捕捉するためのレンズやカルシウムイオン線源を取り付けた小型のチャンバーを製作した。また、カルシウムイオンを生成・観測するための4種類の光源(主冷却光、リポンプ光、2種類の光イオン化光)を作成し、単一周波数での発振を確認した。 一方、既存の実験装置を用いた研究においては、ナノ粒子の3次元的な形状観測を光学的に行う手法を突き詰め、異方的なポテンシャル中におけるナノ粒子の回転振動の周波数から、楕円体を仮定した場合のナノ粒子の半径比を精密に決定する手法を確立した。さらに、基底状態付近まで重心運動を冷却したナノ粒子の速度を飛行時間法によって測定すると、楕円体からのずれによって回転振動と重心運動が結合しているために、速度分布の幅が広がること、この広がり方から楕円体からのずれの大きさを見積もることができることを、それぞれ初めて明らかにした。これらの成果は、2本の論文として発表した。今回得られた成果は、元々本研究で想定していた、電子線もしくはイオン線によってナノ粒子の形状観測を行う手法とは全く別のアプローチによって形状を推測する手段を確立したものであり、本研究の内容と相補的な役割を果たし、将来的に相互に観測結果を比較することで、それぞれの観測結果の正しさを検証する道を拓いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ粒子の形状観測のために、当初想定していた電子線に代わってイオン線を利用することにしたため、イオン線源の準備や光源の作成などに想定していた以上の時間がかかってはいるが、目標に向けた全体の研究期間の中での進捗としては、概ね順調に進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
製作した真空槽においてイオン線が出射されていることを、製作した光源によって確認することが第一の目標である。その上で、ナノ粒子をレーザー捕捉し、このナノ粒子に対してイオン線を照射して、反跳された原子イオンを観測することを次年度の目標とする。より挑戦的な目標として、ナノ粒子のサイズや運動によって、反跳される原子イオンの分布が変化する様子を観測することも視野に入れて研究を進める。
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