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ナノダイヤモンドを用いた超高感度超高圧高周波数電子スピン共鳴測定法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K18691
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

太田 仁  神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 名誉教授 (70194173)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 櫻井 敬博  神戸大学, 研究基盤センター, 助教 (60379477)
Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
KeywordsNVセンター / 光検出磁気共鳴 / ダイヤモンドアンビルセル / テラヘルツ / 電子スピン共鳴 / ナノダイヤモンド / ダイヤモンドアンビル圧力セル
Outline of Research at the Start

ダイヤモンドアンビル圧力セルは,100GPaを超える超高圧を発生できるが,内径0.5mm以下と極端に小さい試料空間のため,これまでミクロスコピックな電子状態情報を得られる電子スピン共鳴(ESR)測定が,従来手法では不可能であった。そこで,このこれまで不可能であったESR測定を,NV-センターを持つナノダイヤモンドと光検出磁気共鳴(ODMR)を用いた新規測定法開発で可能にすることを目指す挑戦的萌芽研究である。

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、高圧下ESRの高圧化、高感度化を目指し、圧力発生にダイヤモンドアンビルセルを用いた測定手法を開発する。ダイヤモンドアンビルセルは、最大発生圧力3 GPa程度のピストンシリンダー型圧力セルに比べ、発生圧力は高いが試料空間が小さいという特徴を持つ。従ってダイヤモンドアンビルセルを用いてESR測定を行うためには、小さな試料空間、少量の試料であってもESR信号が観測可能な、高感度な測定手法が必要である。そこで本研究では、試料と共にダイヤモンドアンビルセルに封入するナノダイヤモンド中のNVセンターを磁気センサーとして用い、そのODMR計測によりこれを達成する。これにより原理的には圧力領域は100 GPaレベルの超高圧領域にまで拡張可能である。
これまでにダイヤモンドアンビルセルを購入し、そのセッティング方法を習得してきた。今年度は研究協力者である岡山大学藤原正澄研究教授のODMR用光学装置を用い、実際に、ダイヤモンドアンビルセルにナノダイヤをセットし、1つのナノダイヤのNVセンターからのODMRを観測することに成功した。用いた対物レンズやマイクロ波の照射効率が最適化されていないため、十分な信号雑音比とは言えないが、2%程度の蛍光強度の減少を有する信号を観測した。対物レンズを最適化し、試料空間へのマイクロ波の導入効率を高めることで感度の大幅な向上は可能であると考えられる。今後はこれらを進め、ESR測定に繋げる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、高圧下ESRの高圧化、高感度化を目指し、圧力発生にダイヤモンドアンビルセルを用いた測定手法を開発することが目的である。今年度は、研究協力者である岡山大学藤原正澄研究教授の光検出磁気共鳴(ODMR)用光学装置を用い、ダイヤモンドアンビルセル中にセットした平均径600 nmのナノダイヤNVセンターのODMR測定に成功した。詳細は以下の通りである。キュレット径1 mmのダイヤモンドアンビルセルに、径0.5 mmの細孔を有するステンレス製ガスケットをセットし、この細孔に平均径600 nmのナノダイヤを入れた。ナノダイヤ1個のNVセンターからのODMRを観測する。なお現時点では圧力媒体は用いていない。NVセンターに対し、マイクロ波はキュレットを囲うようにセミリジッドの同軸ケーブルで作製した径2 mmほどの輪により照射しているのでマイクロ波の照射効率は高いとは言えない。研究協力者である岡山大学藤原正澄研究教授の所有する光学系では、上記ダイヤモンドアンビルセルをセットすると対物レンズから試料空間までが15 mm程度となり、現有対物レンズで焦点を合わせることが出来るものは、倍率4倍、開口数0.10のものであった。通常のODMR測定に比べるとかなり暗い条件である。この様に条件は最適化されていないが、マイクロ波の出力を可能な限り高くし、またNVセンターからの蛍光を100回程度積算することで、コントラスト2%ほどではあったがODMR信号の計測に成功した。

Strategy for Future Research Activity

上記の結果を受け、まずは適切な作動距離、開口数、倍率を持つ対物レンズを購入し、より明るい条件下でODMRの観測を行う。またマイクロ波を与えるセミリジッド同軸ケーブル製の輪を更に小さくするなどして最適化し、NVセンターへのマイクロ波の照射効率を向上させる。これらにより、ダイヤモンドアンビルセル中にあるNVセンターのODMRの感度を向上させる。これらと同時にダイヤモンドアンビルセル中にナノダイヤと同時にセットしたルビーの蛍光測定も行い、圧力の較正が可能であるかどうか、更には実際に加圧して波長シフトを観測する。また簡易の電磁石を作製し、NVセンターのODMRの磁場によるスプリットを観測する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Presentation (5 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Presentation] 圧力下 THz ESR の開発と応用2023

    • Author(s)
      櫻井敬博
    • Organizer
      電子スピンサイエンス学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 多重極限強磁場 THz ESR の開発と展望2023

    • Author(s)
      太田仁
    • Organizer
      強磁場科学研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 異種イオンからなるS=1/2スピンダイマー物質 CuVOF4(H2O)6・H2Oの高圧下ESR測定2022

    • Author(s)
      西口律輝, 櫻井敬博, D. Kamenskyi, 大久保晋, 太田仁, S. P. M. Curley
    • Organizer
      2022物理学会秋季大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] スピンギャップ系物質Cu2(C5H12N2)2Cl4の圧力下熱検出型ESR2022

    • Author(s)
      櫻井敬博,竹原良祐, 長澤直生, 高橋英幸, 嵯峨慎, 高橋一志, 大道英二, 太田仁
    • Organizer
      第63回高圧討論会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] Development of Field-Angle-Dependent ESR Measurement Method under High Pressure by Thermal Detection2022

    • Author(s)
      Naoki Nagasawa, Takahiro Sakurai, Hideyuki Takahashi, Eiji Ohmichi, Hitoshi Ohta
    • Organizer
      29th International Conference on Low Temperature Physics
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-07-05   Modified: 2024-12-25  

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