Project/Area Number |
22K18716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 斉 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60400230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 康宏 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (30374911)
大塚 朋廣 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (50588019)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 半導体量子デバイス / 放射線応答 / 放射線検出器 / 半導体量子センサー / 量子コンピュータ |
Outline of Research at the Start |
本研究計画では、半導体量子ドット等の半導体量子デバイスの放射線耐性の評価と、放射線検出器用センサーとしての利用可能性を調査する基礎研究である。半導体量子デバイスへ電離放射線を照射し、放射線に対する応答・耐性を評価する。電離放射線に対する応答が悪く、耐性が強いことが証明できれば、量子コンピュータへ向けた量子ビットデバイスなどとして放射線耐性を有することが実証される。他方で、応答が良く耐性が弱ければ、量子デバイスとして使用するための電離放射線遮蔽の条件を考察するとともに、放射線検出器の信号センサーとして半導体量子デバイスを利用する可能性を検討し、実現に向けた基礎研究を実施していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半導体量子ドット(半導体QD)の電離放射射線耐性及び、放射線検出器用のセンサーとしての利用の可能性を調査,研究する。 中性子源を用いた測定では、中性子源が弱いために放射化したGaAs量が少ないという本質的な問題に加え,基板上で放射化した元素(主に198Au)の寿命が長く(64.66時間)、変化が明瞭で無いという点も課題として判明した。そのため、十分なエネルギーの放射線を照射した場合と照射していない場合の状態を短時間で切り替え可能であるような装置系の構築を行い、真空中でも使用できるα線ソース(241Am,エネルギーは5.4メガ電子ボルト)を、クライオスタット外部から移動可能となる様に改造した。 使用したアルファ線ソースは、直径2.4ミリの円形の領域がアクティブであり、基板上の限られた領域にアルファ線を集中的に照射することが可能である。この機構を用いて、量子ポイントコンタクト(QPC)にアルファ線を照射した状態での電流値の振る舞いを調べた。試料はHeガスによる熱交換によって冷却され、実験中の温度は4.6 Kであった。QPCのドレイン-ソース間電圧とドレイン-ゲート間電圧の双方をある値に設定する。アルファ線を照射した状況で、100秒間ドレイン電流を測定する。測定頻度約1 Sample/sである。アルファ線を照射しない状態で100秒間ドレイン電流を測定する。アルファ線の照射/非照射で、ドレイン電流が安定しておらず、統計的に有意な変化があったかどうかの判別が難しいことが分かった。そのため、自動的に無人で照射と非照射を長時間繰り返し行うことができるように測定装置を改善し、データの収集を20時間以上実施し、QPCの設定値を変更しながらいくつもの条件でデータを収集することに成功した。現在、機械学習プロフラムを駆使して、照射と非照射条件下での信号差異について詳細な分析を行えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究は、計画通り実施できた。アルファ線ソースの有無による際は明瞭ではなかったが、ドライブシャフトの回転を無人で一定秋季で回転させる改造をしたことで長時間安定した条件下での測定データを収集することが可能となったことや、デバイスの条件を変化させながらの測定も可能となったことで、調査データを効率的に取得する体制は整った。結論を得ることはできていないが、今後の研究の展開に大きく期待を持てるデータも出てきている。今後も研究計画の実施で支障になることも生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
アルファ線よりも透過力が強い、ガンマ線の利用も行って比較データの収集を進める。ガンマ線を利用する場合、エネルギーが高いと基板をも透過してしまうため、エネルギーの低いガンマ線が適している。このようなソースとして55Fe(1.7keV)を検討している。モンテカルロシミュレーションによって、どの程度のエネルギーがどの程度の頻度で、基板上にエネルギーを付与するかの計算を行う予定である. 今後さらに半導体量子デバイスに対する放射線の影響を調べるとともに、量子ドットを用いた実験への進展を検討している。
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