Project/Area Number |
22K18767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 19:Fluid engineering, thermal engineering, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長田 孝二 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50274501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 智昭 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (70772292)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 空気力学 / 翼周り流れ / 風洞実験 / 数値計算 / 翼まわり流れ |
Outline of Research at the Start |
フラクタル形状の透過部を有する翼型を設計・製作しする。小型・低レイノルズ数翼の空力特性に関しては非定常運動の影響を強く受けるため、翼を固定した状態および非定常運動する場合について六分力天秤を用いて空力計測を行う。流れの剥離や再付着現象をスモークワイヤー法により可視化し、空力特性との関連を考察する。透過性翼周りの流れと空力特性についてはOpenFOAMを用いたラージエディシミュレーションによる解析も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
実験に関しては、空隙率とフラクタル部の位置が異なる合計6種類のフラクタル翼(フラクタル部なし、前縁部に空隙率0.3および0.6のフラクタル部、後縁部に空隙率0.3および0.6のフラクタル部)を製作し、空力計測と流れ場の可視化を行った。翼の製作には3Dプリンタを用いた。実験には名古屋大学所有のゲッチンゲン風洞を用いた。空力計測には六分力天秤を用い、流れ場の可視化にはスモークワイヤ法(本研究で作成)とレーザを用いた。その結果、実験を行ったフラクタル翼モデルに関してはフラクタル部がない場合に比べて揚力が低下したものの、前縁部にフラクタル部を設置した場合に高迎角に至るまで揚力に線形性があることがわかった。これは、急な姿勢変更や風向きの変化に対してもフラクタル翼が安定して揚力を発生できることを示唆する新たな知見である。 ラージエディシミュレーションによる二次元翼の非定常空力解析を実行し、一部透過性を有する翼の空力解析を行った。計算にはOpenFOAMを用い、多孔質のモデルを実装した。多孔質としては均質な多孔質と一方向のみ透過性を有する多孔質(実験でのハニカムに類似)の二種類を用いた。多孔質部の長さを翼弦長の4%, 10%, および20%とし、空隙率を0.3, 0.6,および0.9とした。迎角は0度から16度まで2度刻みとした。計算には高速ワークステーション(本研究費で購入)を用いた。計算の結果、一方向のみ透過性を有する多孔質翼の場合に、高迎角域において多孔質部がない翼と比較して揚力/抗力比が向上することを見出した。結果を国際誌(Journal of Aircraft)に投稿し、現在修正原稿が査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に関しては、当初の予定通り、空隙率とフラクタル部の位置が異なる合計6種類のフラクタル翼を製作し、空力計測と流れ場の可視化を行った。その結果、実験を行ったフラクタル翼モデルに関してはフラクタル部がない場合に比べて揚力が低下したものの、前縁部にフラクタル部を設置した場合に高迎角に至るまで揚力に線形性があることがわかった。これは、急な姿勢変更や風向きの変化に対してもフラクタル翼が安定して揚力を発生できることを示唆する新たな知見である。 ラージエディシミュレーションによる二次元翼の非定常空力解析を実行し、一部透過性を有する翼の空力解析を行った結果、条件によっては揚力/抗力比が向上することを見出した。結果を国際誌(Journal of Aircraft)に投稿し、現在修正原稿が査読中である。 以上の通り、当初計画した研究に沿って研究がおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験においてはさらに異なるモデルを製作して空力計測を行う。初年度にはフラクタル形状を有する翼の計測しか実施していないため、フラクタル部(空隙率0.3および0.6)と空隙率が等しいスリットを有する翼について空力計測を行い、空隙部の形状の効果(フラクタル形状に優位性があるか否か)を明らかにする。また、粒子画像流速計(PIV)を用いた流れ場の定量的計測を行う。 ラージエディシミュレーションによる非定常空力解析においては、翼が非定常運動する際の翼の透過部の影響を明らかにする。揚力/抗力比に着目し、翼の透過部によって非定常運動をする翼の空力性能が向上するか否かを明らかにする。 最終的には、実験結果と数値計算結果を総合し、低レイノルズ数を有する小型航空機に対して有効なフラクタル翼を提案する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)