Fabrication for Oxide-based All-solid-state Batteries at Low Temperature and Short Processing Time Using Cold Sintering
Project/Area Number |
22K18793
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
稲田 亮史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30345954)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
|
Keywords | コールドシンタリング / 全固体電池 / 酸化物 / 固体電解質 / 電極複合体 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,コールドシンタリング(CS)法の酸化物全固体電池の低温・高速作製プロセスとしての可能性を探求し,加熱温度200~400℃,短時間での電極-固体電解質積層一括成型の実現に挑戦する。プロセス温度の低減は,電極活物質/酸化物固体電解質間の副反応抑制に大きく寄与すると期待されるが,これらの異種材料をCS法で一括成型する条件は現時点で殆ど明らかとなっていない。このため,①高いイオン伝導率を持つ固体電解質材料の緻密成型条件の確立,②①で選別された固体電解質-電極活物質複合体緻密成型,③各検討結果を踏まえた電極複合体―固体電解質積層体の一括成型,と課題を設定し,ボトムアップ的に目標達成を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コールドシンタリング(Cold Sintering, CS)法の酸化物全固体電池の低温・高速作製プロセスとしての可能性を探求し,加熱温度200~300℃,数10分程度の短時間での電極-固体電解質積層一括成型の実現に挑戦する。初年度は,固体電解質単体にCS法を適用し高密度成型を行い,得られた成型試料の構造解析とイオン伝導特性評価に注力した。 固体電解質材料として,通常焼結体で室温下で10-4 S/cm以上のイオン伝導率を示すLi1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3(LAGP)を用いた。比較のために,850℃での高温焼結で作製した試料は、92%の相対密度と0.25 mS/cmの室温伝導率を示した。CS法での成型を行う際に,最初に粉末と脱イオン水を重量比2:1で混錬した後,400MPaの一軸加圧下で200℃でCSを行ったが,成型試料は強度が低く十分に固化しなかった。対策として,事前に200℃, 400MPaで仮成型(相対密度60~70%程度)を行った後,脱イオン水を添加して真空含侵させてから400MPaの一軸加圧下で200℃でCSを行った結果,強度の高い成型体が作製できた。CS後に相対密度は最大で80%程度に向上しており,走査電子顕微鏡観察の結果,CS時に生成した析出物がLAGP粒子間に確認された。X線回折の結果からも,微量の異相由来のピークが検出され,これにより粒子間接合が達成されていると考えられる。インピーダンス測定により,CS法で成型した試料のイオン伝導率を評価した結果,通常焼結体には及ばないが,室温下で0.05~0.08 mS/cmの伝導率を得た。また,CS時に使用する溶媒をエタノールに変更した結果,CS後に生成する異相量を減少しつつ,成型密度が向上することを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究において,LAGP固体電解質に対してCS法を適用し,成型体を作製するためのいくつかの重要な知見とイオン伝導特性に関する初期性能を得ることができたが,成型試料の相対密度やイオン伝導率に関して当初目標の達成には至らなかった。更に、初年度に得られた成果に関する学会等での対外的な発表にも至らなかった。以上より,現在までの進捗状況を若干遅れていると評価した。 性能改善に向けた課題の抽出・対策の整理はできており,次年度以降の研究計画に反映したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
①CS法による固体電解質シートの高密度成型・特性評価(2023年度) 初年度から継続して,CS法による固体電解質シートの高密度成型・特性評価を行う。CS時に使用する溶媒種(pH制御含む)や温度・加圧条件を包括的に調整し,成型密度(85~90%)とイオン伝導特性(室温下で0.1 mS/cm以上)の実現を目指す。更に,初年度とは異なる固体電解質材料への適用も並行して検討する。 ②CS法による電極活物質-固体電解質複合体の高密度成型・特性評価(2023年度) 代表的なリチウムイオン電池用電極活物質(LiCoO2, LiFePO4等)と,既に成形条件を検討している酸化物固体電解質を用いて,CS法による電極活物質-固体電解質複合体シートの高密度成型を行い,微細構造及び電気伝導特性(電子伝導特性およびイオン伝導特性)を評価する。得られた結果に基づき,複合体シートの電気伝導特性向上に適した条件(電極活物質/固体電解質の組み合わせ及び配合比,加圧条件,成型温度,等)を明らかにする。また,得られた複合体シートの充放電特性を有機電解液中で評価し,複合体に含まれる電極活物質の性能が引き出せるかどうかを検証する。 ③CS法による電極複合体―固体電解質積層体の高密度成型・特性評価(2024年度) ①②の結果を踏まえて,CS法による電極複合体-固体電解質積層体の一括成型を試みる。各層で個別に適正化された成型条件を基盤とし,一括成型に適した条件を探索する。得られた積層体の固体電解質端面に対極となる金属リチウムを圧接(必要に応じてポリマー電解質を保護層として両者の界面に導入)し,室温~80℃の範囲で電流密度を変化させつつ充放電特性を評価する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)